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第104号(令和2年3月16日配信)

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裏千家通信
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  新型コロナウィルス感染症の拡大防止に向けた政府の基本方針に則り、開催を予定しておりました3月の諸行事は中止・延期の対応を取らせていただいております。
  なお、宗家利休忌は内々で執り行われます。
  更に、各種茶会については今しばらくの間、自粛をお願いします。
  また、4月以降の対応については、今後の状況を鑑み、裏千家ホームページにて改めてお知らせします。
  何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
一般財団法人 今日庵
一般社団法人 茶道裏千家淡交会総本部

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茶の湯トリビア
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  今回は茶道文化検定1級と4級からの出題です。1級はちょっとむずかしいですよ。

問1
わび茶の創始者とされる珠光の「月も雲間のなきはいやにて候(雲一つない空の月は好みではない)という言葉を書き留めた金春禅鳳の職業は何ですか。次の選択肢から選びなさい。(1級)
@田楽師(でんがくし) A猿楽師(さるがくし) B狂言師(きょうげんし) C能楽師(のうがくし)

問2
国宝の茶室で最も広い茶室はどれですか。(4級)
@待庵(たいあん) A密庵席(みつたんのせき) B如庵(じょあん) C又隠(ゆういん)


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「茶の湯トリビア」解答と解説
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  問1 正解:C能楽師
  珠光の言葉は、能の金春座(こんぱるざ)の太夫であった金春禅鳳(こんぱるぜんぽう)の『禅鳳雑談(ぞうたん)』に記されています。禅鳳が後援者の一人で、奈良の中市(なかいち)(中世の南都(なんと)三市(さんいち)の一つ)の商人坂東屋(ばんどうや)に逗留した際「珠光の物語とて」と言って書き留められました。

  問2 正解:A密庵席
  現在、国宝の茶室は待庵、如庵と密庵席です。待庵は京都府の妙喜庵(みょうきあん)にあり、千利休作と伝えられ、二畳敷の席です。如庵は現在愛知県の犬山市の有楽苑(うらくえん)内にあり、織田信長の弟、織田有楽の作で、二畳半台目の席です。密庵席は京都市の大徳寺龍光院(りょうこういん)内にあり、小堀遠州作で四畳半台目の席です。この三つの茶席のそれぞれの大きさは、二畳敷(畳2枚)<二畳半台目(畳2.5枚+台目畳)<四畳半台目(畳4.5枚+台目畳)ということになり、密庵席が最も広い茶室となります。
  なお、台目畳という畳に興味を持たれた方は、『茶道文化検定公式テキスト』1・2級用の235頁に詳細が掲載されています。


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