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第103号(令和2年2月17日配信)

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『「利休のかたち」展を終えて』
伊住禮次朗

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(写真:茶道資料館にて)

  東京は松屋銀座に於いて、昨年12月27日から本年1月20日まで開催しておりました「利休のかたち〜継承されるデザインと心」展(企画協力:茶道資料館)が無事に終了いたしました。私は、本展に企画担当学芸員として携わっておりました。
  普段、何気なく言うところの「利休好」、「利休形」。それらの「かたち」の原点となるものが生まれてから、その後の展開までをたどる展覧会でした。茶道具の基本形ともいうべき「利休」を冠するさまざまな道具のルーツを辿っていく作業は果てしなくも、大変楽しい学びの時間になりました。茶の湯の稽古を続ける中では、たくさんの疑問が浮かびます。答えを焦らず、ひとつひとつの疑問を大切にして、先人たちの教えに導かれながら、多くのことを吸収したいと改めて感じさせられた機会となりました。
  最後にご案内。私、本年は裏千家の担当となるNHK「趣味どきっ!」の、今月24日放送枠に登場予定です。その場面は、どうぞ寛容なお心でご覧ください。

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茶の湯トリビア
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  今回から今年11月で13回目を迎える「茶道文化検定」の過去の問題を出題し、より茶の湯を広い範囲から学んでいただこうというコーナーを新設しました。どうぞふるってチャレンジしてください。なお、問題は1級から4級に分かれ、1級が最も難しく、4級が最もやさしくなります。

問1 一般的に正午の茶事1回にかかる時間はどのくらいですか。
次の@からCの中から選びなさい。(3級)
@8時間 A6時間 B4時間 C2時間

問2 文琳(ぶんりん)・茄子(なす)・丸壺(まるつぼ)・肩衝(かたつき)などの名称がつけられた道具は何ですか。(3級)
@釜 A茶器 B茶入 C水指


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「茶の湯トリビア」解答と解説
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  答1 B4時間
  茶事は季節や催す時刻によっていろいろな茶事があります。中でも正午の茶事はその基準的なものとされ、会場である茶室へ入ることから、懐石(かいせき)、中立(なかだ)ち(休憩)、濃茶(こいちゃ)、薄茶(うすちゃ)の1コースで約4時間かかります。これ以下でも、以上でも良くないとされます。

  答2 B茶入
  茶入(ちゃいれ)は濃茶を入れる小さな陶器製の小壺をいいます。これを形などで分類したものが問題となっています。釜、水指なども形や素材により、さまざまな名称があります。


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