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第91号(平成31年2月15日配信) |
------------------------------------------------- 『日日是好日』 伊住 宗陽 ------------------------------------------------- |
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(写真:故伊住宗晃宗匠17回忌法要にて) |
こんにちは! 京都は相変わらず寒さ厳しいですが、今年はまだ雪が積もらず降らず。 雪だるまを最後に作ったのはいつだったかなと考えています。 皆様のお住いの地域は如何ですか? さて、さる2月2日に亡父、擔泉斎の17回忌を滞りなく務めさせていただきました。 あっという間の16年、月日の経つのは早いものです。 毎年欠かさずお参りにきていただく、父の友人達も白髪交じりになってこられました。 当時、学生服を着ていた私も今や二児の父です。 そして、もう10年も経てば父の年齢に追いつきます。 日々を全力で一生懸命生きていかないといけないなと改めて感じた次第です。 |
------------------------------------------------- 茶人の逸話:野崎幻庵 ------------------------------------------------- |
野崎幻庵(のざきげんあん)、名は広太、庵号は汲古庵。岡山県出身で慶応義塾に進み、益田鈍翁により三井物産に入社。のち中外商業新聞社(現在の日本経済新聞社)社長、三越百貨店社長などを歴任しました。幻庵は、『茶会漫録』(全13巻)という明治38年(1905)から大正15年(1926)までの茶会記録を残し、高橋箒庵の茶会記録とともに近代茶会記の双璧とされました。実のところは自分の茶会を自らが評価するわけにはいかないので、幻庵の茶会は箒庵が書き、箒庵の茶会は幻庵が書いて、お互いに言いたい放題に批判しあった好敵手と言ってよいでしょう。 ある夏のこと、幻庵は新茶室「又幻庵」の席披きをしました。客は鈍翁・謙庵・箒庵など茶評やかましきいつもの面々です。一同寄付に入りますが、夏の午後5時とは思えない暗さに、室内の電灯のスイッチを入れても点灯せず、しかたなく手元の「マッチ」を擦って室内を点検する有様。一瞬の「マッチ」の明かりでは大して室内の様子も分かりかね、待ちくたびれたころ、突如隣室の襖が開き、亭主の幻庵が電光を満身に浴びながら両手をついて挨拶をするという趣向に、連客一同大いに驚かされたそうです。 |