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第69号(平成29年4月17日配信) |
------------------------------------------------- 『よんふくめ』 千 敬史 ------------------------------------------------- |
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(写真:全国菓子大博覧会・三重「茶道裏千家家元賞」審査会場にて) |
こんにちは! 意外な寒さで桜の開花も遅れましたが、ようやく春の陽気を感じるようになってきた今日この頃。個人的には花粉も感じておりますが如何お過ごしでしょうか。 この度、第27回全国菓子大博覧会における茶道裏千家家元賞の審査委員長を務めさせていただきました。ざっくり言うと人様の作られた和菓子を審査させていただいた訳です。何かを点数形式で採点するなど人生初めて。見た目・味・コンセプト等々、大変難易度の高い仕事でありました。入賞された皆様、おめでとうございました。要項等含め、詳しくはこちらをご覧くださいませ。美味しかったです。 さて、いよいよ行事が盛んになるシーズンがやってまいりました。皆さんと各地でお会いできるのを楽しみにしておりますね! クシャミをしながら原稿を書いている千 敬史でした。 |
------------------------------------------------- 茶人の逸話:松平不昧 ------------------------------------------------- |
出雲国松江藩主松平不昧(ふまい)は、江戸時代後期の大名茶人として知られています。藩政改革に成功して得た豊富な資金力をもとに、大量の茶道具を蒐集したことでも有名です。 その不昧が江戸の芝あたりの茶店で休息した時、かたわらの釜を見て「これは本物の芦屋釜(あしやがま)ではないか」と冗談を言ったところ、真に受けた店の亭主が大変喜び、箱をあつらえて、「芦屋釜」と箱書してほしいと不昧の屋敷に持ってきました。不昧は亭主の頼みをむげに断らず、箱を置いて帰るように言いました。 しかし、待てど暮らせど箱書はしてもらえません。不昧は冗談で芦屋釜と言ったのであり、それに箱書をしてしまうと自分の鑑定が間違っていた証拠が残ってしまうので、すぐには断らず、放っておいたのです。 ひどい話と思われるでしょうが、あにはからんや。茶店には不昧が芦屋釜だと鑑定した釜はどんなものかと、連日多くの客が見物に押し掛け、茶店は大盛況、大儲けしたそうです。不昧の茶道具における影響力は当時から大したものだったのですね。 |