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第56号(平成28年3月15日配信) |
------------------------------------------------- 『若い力』 伊住公一朗 ------------------------------------------------- |
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(写真:裏千家学生茶道研究会合同記念行事にて) |
こんにちは! 2月末に関西、関東の裏千家学生茶道研究会周年行事に伺いました。 各地の大学から400人以上が参加し大変な盛況でした。 私も大学では茶道部に所属し、いわば『学茶』出身者として後輩たちの頑張りに目を細めておりました。 今回の行事は企画の段階から全て学生の手で形作られたものです。 学生たちのほとばしる茶道への情熱、茶会での意外な発想、アイディアには本当に驚かされます。 凝り固まった価値観をほぐされたようで、学生たちに感謝します。 この若い人たちがいるなら、これからの茶道文化はきっと大丈夫。そう思わせてくれた頼もしい後輩たち。今一度ありがとう。 |
------------------------------------------------- 千 玄室大宗匠:新刊書のご案内 ------------------------------------------------- |
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「一碗からピースフルネスを」を提唱し、茶の道をきわめた大宗匠が教えてくれる、私たち自身が忘れつつある日本人の心とは。疲れた現代人のためのエッセイです。〈幻冬舎による紹介文から〉 詳細はこちらよりご覧いただけます。 |
------------------------------------------------- 茶人の逸話:沢庵宗彭(そうほう) ------------------------------------------------- |
メールマガジン第54号に少し登場した沢庵和尚は、一休さんとともによく知られている禅僧でしょう。沢庵は「紫衣事件(しえじけん)」という、高僧が身にまとう「紫衣」の許可をめぐる事件の中心人物として、幕府から出羽国(山形県)に流罪にされました。流罪が赦(ゆる)された後、将軍徳川家光に気に入られたようで、家光が江戸・品川に創建した東海寺の住職に任命されました。また家光の茶会に招かれた際には、天下三肩衝の一つ、「楢柴肩衝(ならしばかたつき)」・中国の禅僧虚堂智愚(きどうちぐ)の墨蹟などの名物道具でもてなされています。 『沢庵和尚茶器詠歌集(たくあんおしょうちゃきえいかしゅう)』という、沢庵が茶器を詠み込んだという茶器図入りの和歌集が残されています。この中から二つほどご紹介すると、「こひすてふろうの上より なかむれは 山にはなけ木 野はおもひくさ」 「ふたつみつ 子ほしけに見る わらはへの 秋の雀の すたちするころ」。それぞれ風炉と水こぼし(建水)が詠み込まれています。アンダーラインを付けてみましたが、物を詠み込んだ歌を作るというのは難しいものですね。 |