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第42号(平成27年1月15日配信)

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『新年によせて』 伊住公一朗
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新年おめでとうございます!
今年もよろしくお願いします。
京都での初釜式も終わり、明日からの東京初釜式の為、東京に来ております。
お陰様で様々な地域に出張させていただき、この5年程で随分と教授者の方々のお顔やお名前がわかるようになってまいりました。
席の終わりに「昨年はお世話になりました!」「ご無沙汰してます、お元気ですか?」
そんなやり取りが楽しくもある、初釜式です。

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今日庵初釜式
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  平成27年乙未歳の今日庵初釜式が、1月7日から12日までの6日間にわたり行われ、約2200名の賀客が来庵されました。


  詳細記事はこちらをご覧ください。
  -裏千家ホームページ 平成27年乙未歳 今日庵初釜式

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茶人の逸話:津田宗及
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  津田宗及(つだそうきゅう)は、堺の豪商天王寺屋津田宗達(そうたつ)の息子です。茶の湯は父・宗達から伝授されました。宗達は『山上宗二記』によれば、「台子飾りを一世楽しんだ人」と評された茶の湯者でした。
  ある冬の日、宗及は千利休と細川三斎を茶会に招きましたが、前夜から積もるほどの雪が降り出しました。三斎の屋敷に泊まり込んでいた利休は、こういう時は雪の風情を味わいながら茶会をするものだと、三斎を急がせて約束の時刻よりかなり早く宗及方へ到着しました。すると宗及も心得たもので、ちゃんと準備を終えて二人の到着を待ち受けていたのです。利休と三斎が席入りすると、宗及は床に飾ってあった名物の「不破(ふわ)香炉」をおろし、利休に手を温めるようすすめます。そうこうするうちに水屋の戸をたたく音がしました。宗及は「使いの者が佐女牛井(さめがい)の水を汲んで戻ってきました」と言って、さっそく釜を佐女牛井の水を入れたものに取り替え茶会を始めました。佐女牛井は平安時代から知られる京都の名水です。天候の急変を趣向に取り込み、名水で対応した宗及。利休は後々までこの宗及の働きをほめたそうです。


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