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第39号(平成26年10月15日配信)

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『秋に思うこと』 伊住公一朗
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(写真:静岡浅間神社献茶式にて)

こんにちは!
徐々に秋めいてまいりましたね。
私は10月の生まれということで、この季節は大好きです。
特に、大好きな金木犀の香りが漂うと、あぁ、秋だなぁと感じます。

先日、静岡浅間神社で
御家元名代として献茶式を奉仕させていただきました。
昨年から各地でご奉仕する機会が増え、支部の皆様には大変お世話になっております。毎回、たくさんの方々に支えていただいており、この度も滞りなく奉仕することができました。
点前座に座るのは私一人ですが、その裏には皆様方のご協力があってこそ成立しております。
どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。

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茶人の逸話:空海
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  室町幕府の同朋衆(どうぼうしゅう)能阿弥(のうあみ)の小姓だった右京(うきょう)という人が剃髪して空海(くうかい)と名乗り、老後を堺で送っていたそうです。
  この空海は、壮年の時に京都で能阿弥から茶の湯の教えをうけていました。ある時、能阿弥が名物の水指を持っていないので台子を使うことができず困りはてていると、「名物の水指が無ければ、水指がのる幅だけ台子の長板を切り捨てて、ほかの名物道具だけを飾る板になされてはどうですか」と弟子の空海がヒントを出したので、それで能阿弥が「中板(なかいた)」を創作したという話が『南方録』に載っています。
  ところで、空海はある人に「あなたは、なぜ空海というような大それた名前を名乗っているのですか」と聞かれ、「釈迦院、阿弥陀院のように仏様を名乗る人までいるのだから、弘法大師のお名前を名乗るくらいはどうってことないでしょ」と答えたそうです。何とも人を食った話ではありませんか。


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