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第31号(平成26年2月15日配信)

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『冬期講習会』 伊住公一朗
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(写真:ソロプチミスト初茶会にて)

こんにちは!
先週、関東では記録的な大雪で大変な週末となりました。
旅行を計画していた私の友人は成田空港で一夜を明かしたそうです。
皆様は大丈夫でしたでしょうか?
2月も半ばにさしかかりました。
再来週からは冬期講習会が始まります。
毎年、緊張感いっぱいに宗家の門をくぐる全国からの受講者の方々。
私も皆様の稽古を見学させていただきますが、点前に向かわれる姿勢や質問の着眼点など、気づき学ぶ事が沢山あります!
今年も受講者の方々と一緒に学ばせていただける日々が、今から楽しみです。

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茶人の逸話:黒田如水
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  今年の大河ドラマの主人公は、黒田官兵衛ですが、如水(じょすい)という隠退後の号でも知られています。晩年には『黒田如水茶湯定書』(くろだじょすいちゃのゆさだめがき)というものを遺し、「これは我流ではなく利休流の茶のあり方である」と記したほど利休の茶の湯に傾倒した武将でした。
  しかし如水は当初、茶の湯が嫌いだったようです。「これは戦国の武将が好んではいけないものだ。丸腰となって茶室のような狭いところに籠るようなことは大変危険だ」と、常々まわりの人々に言っていました。
  ところがある時、茶の湯大好きの秀吉から茶会に呼ばれてしまいました。主の命令には逆らえず、しぶしぶ茶室に行き、秀吉の来るのを待っていました。しばらくして秀吉はやってきましたが、如水と軍議をするばかりで一向に茶会を始める気配はありません。やがて軍議が終わると、秀吉に「これも茶の湯の良いところの一つなのだ。おぬしとわしが別室で密談などすれば人は何事かとあやしみ、たちどころにうわさになるであろう。だが茶会だと言えば、二人だけで茶室に入っていても誰もあやしむ者はおらぬ」と言われ、如水はまさに目からウロコが落ちた状態になりました。そして「今日はよい茶を味わわせていただきました。上様の思慮深さにはとても及びません」と言って、以後は茶の湯に励んだそうです。これは『名将言行録』(めいしょうげんこうろく)にあるお話です。


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海外協会活動:オーストラリア(シドニー協会)
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  昨年11月30日、 シドニー総領事公邸において世界のトップ モデルとして活躍されている ナオミ・キャンベルさんを招いてお茶を差し上げる機会を得ました。
  キャンベルさんは東日本大震災の直後にチャリティー ファッション ショーを開催され、その収益金を寄付されていますが、このたびシドニーにおいても総額約35万ドル(3,000万円相当)を寄付されたことから、外務省として何とか日本の茶道をもって謝意を表したいと、裏千家シドニー協会に呈茶の依頼がありました。
  非常にタイトなスケジュールであったため、 呈茶の時間は2日前に確定するなど準備に苦労しましたが、協会から多数のメンバーの協力を得て立派な呈茶ができ、総領事館からも大変感謝されました。
  また、キャンベルさんからは「大変静寂な中で日本の伝統文化である茶道のもてなしを受けたことを有難く思います。これからの全てのスケジュールをキャンセルしてここに居たいくらいです」との言葉を頂戴しました。

亭主は小林首席領事夫人(裏千家ローマ出張所等にて7年の茶道経験有り)。
半東はシドニー協会の良子フリーマン幹事長



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