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第25号(平成25年8月15日配信)

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『お伊勢さん』 伊住公一朗
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(写真:八坂神社献茶式協賛席にて)

こんにちは!
連日、猛暑日が続いておりますがお元気ですか?
私は大好きな高校野球が開幕し、溌剌としたプレーに日々元気をもらっています。
さて、先日知人と伊勢神宮へ参拝にまいりました。
伊勢は遷宮まっただ中で、たくさんの人、人、人で溢れかえっていましたよ。
至るところで鳥居やお社が建て替えられていました。
20年でこれだけ色が変わってしまうのかというくらい、その違いがはっきりとわかります。
聞けば、太平洋戦争中を除いて欠かさずに連綿と受け継がれてきた遷宮。
まだ行かれていない方は是非、最寄りの電車で神宮をご参拝ください。
帰りにはおかげ横丁でお土産と、この時期限定、赤福氷をご賞味あれ。

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少庵の逸話その4
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  少庵が大徳寺門前の屋敷を利休にわたし、二条衣棚通(にじょうころものたなとおり)に新たに屋敷を構えたことは、第23号に掲載しました。
  ある時、少庵はこの二条衣棚の屋敷の茶室に利休を招いて茶会を開きました。その時少庵は緊張のあまり、体の震えが止まりませんでした。というのも、少庵は茶室の床の幅を従来のものより小さくしていたからです。そのことを利休がどう評価するか、大変気がかりだったのです。ところが、茶会にやってきた利休はこの少庵の工夫が気に入り、大徳寺門前の屋敷に帰ると、すぐ大工を呼び、自分の茶室の床の幅を同様に小さくしたということです。『江岑夏書』(こうしんげがき)に載る話です。茶の湯にとって良いものはどんどん採り入れようとする利休の姿勢がうかがえる話ですが、次の話はちょっと凄まじいものです。
  少庵が自分の茶室の天井に突上げ窓(つきあげまど)という小窓を二つ開けたところ、利休はそれをみて、「とんでもない事を仕出かしたものだ。すぐ窓をふさぎなさい」と、大変な剣幕でした。さっそく少庵は言われた通り、窓をふさぎました。しかし、利休は自分の茶室の突上げ窓を二つにしてしまったのです。これは茶の湯の作意には親も子もない、という利休の強い意志の現われでした。この話は『茶道四祖伝書』(ちゃどうしそでんしょ)にあります。


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