戻る
第18号(平成25年1月15日配信)

賀正

-------------------------------------------------
『明けました』 伊住公一朗
-------------------------------------------------
  こんにちは!
  2013年がスタートしました。今年も一年宜しくお願いします。
  本年から淡交会は一般社団法人に移行し、新体制での初めての初釜式に臨ませていただきました。
  また、今年からのもうひとつの変化として、今日庵修復に伴って新しく竣工された平成茶室が初釜式からフル稼働しております。玄々斎宗匠以来、170年ぶりに今日庵を修復するにあたり、坐忘斎宗匠も力を入れておられます。
  私も明日からの東京初釜式へ行ってまいります。
  今年も各地で皆さまとお目にかかれることを楽しみにしています。
  (写真:今日庵初釜式にて)

-------------------------------------------------
今日庵初釜式
-------------------------------------------------

  本年も恒例の今日庵初釜式が7日から12日まで催されました。


  詳細記事はこちらをご覧ください。
  裏千家ホームページ 平成25年癸巳歳 今日庵初釜式

-------------------------------------------------
無限斎碩叟好物:その3
-------------------------------------------------

羽衣香合 銘 如笑 同 蓋と見込み

無限斎箱書(内箱)     同外箱
  十一代中村宗哲作。高3.5 径8.5 単位はいずれもcm。今日庵蔵。

  御存知の方も多いでしょうが、能「羽衣」は、静岡の三保の松原に伝わる天女伝説を取り上げたものです。春の朝、漁師白龍が釣りに出た折に手に入れた羽衣をめぐって、白龍が天女の舞を見せてもらう代わりに衣を返し、天女は美しい舞を舞いながら、天に帰っていくという内容です。明るくあでやかな能なので正月にふさわしいものとして、この時期によく演じられます。
  羽衣香合はその羽衣が掛かっていたという松の枯枝を入手し、好んだ銀縁の香合です。外側は皮目を残して溜塗(ためぬり)にし、蓋に無限斎の字形で「羽衣」の二字が銀蒔絵で施され、内側は金粉溜地になっています。
  富士山を望む三保の松原の古木ということから、富士の四季にあわせて、春の「如笑」をはじめとする四個と、後にもう一つ「東遊」銘の香合が作られました。無限斎好みの香合の中でも優美なものとして知られています。

-------------------------------------------------
資料館学芸員出張所
-------------------------------------------------

新春展「大松コレクション名品選 近代絵画と茶道具」展

  大松コレクションは、上村松園、川合玉堂、前田青邨など名だたる画家による近代絵画と、茶道具など約1500点の美術工芸品からなりたっています。本展では、それらの名品の中から、新春の季節にふさわしいものを中心に展観いたします。
  新春展は3月10日(日)まで開催しています。

赤楽茶碗 銘 雲錦 仙叟作

裏千家4代仙叟作の赤茶碗です。姿は光悦作の茶碗を思わせるもので、今日庵に伝来する仙叟作の赤茶碗銘「いが栗」とよく似た作行きをみせています。仙叟手捏ねの中ではかなり作行きが異なる茶碗ですが、胎土は鉄分を多く含んだ細かな赤土を用いており、高台部分を残して飴釉が掛けられ、大樋焼の特徴を備えています。
高台脇には仙叟が「室(花押)」と朱漆で直書しており、無限斎が「雲錦」と追銘しています。


戻る