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第17号(平成24年12月15日配信)

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『一周年です☆』 伊住公一朗
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  こんにちは!
  もう年の瀬ですね。
  早いもので私がメルマガの“ひとこと”を始めて一年が経ちました。
  こういった試みは初めての経験でスタッフと試行錯誤の一年でしたが、楽しく読んでいただいていれば幸いです。
  今年も一年、色々な地方に出張させていただき、お茶を通じて沢山の皆さまとお会いすることができました。お茶への想いを語ってくださる方、父の思い出話をしてくださる方など様々です。お一人おひとりの想いを胸に今年も少しは成長できたかな?と自問自答しております。
  来年も良い年でありますように。
  (写真:第56回九州地区大会にて)

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無限斎碩叟好物:その2
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樂焼珠光青磁写花入(らくやきしゅこうせいじうつしはないれ)

  十三代 樂 吉左衞門(惺入=せいにゅう)作。
  高22.5 口径6.2 底径7.5 単位は何れもcm。
  今日庵蔵。

無限斎箱書

  昭和11年(1936)は、京都の北野天満宮を会場として豊臣秀吉が行った「北野大茶湯」(きたのおおちゃのゆ)の350年祭が挙行された年でした。10月8日から5日間、茶道各流派の家元が北野天満宮で献茶奉仕を行い、その間、京都市内には、天満宮を中心とした20ヵ所あまりに釜が掛けられるという盛大なものとなりました。無限斎の献茶は10月10日に執り行われています。
  献茶に先立ち、無限斎は前年の昭和10年に献茶具一式を北野天満宮に奉納しました。それを記念して好まれたのがこの「樂焼珠光青磁写花入」です。今日庵に伝来した珠光青磁の花入を写したものですが、北野天満宮の梅にちなみ、新たに胴の上部に梅の花の擂座(るいざ)=「粒状の装飾」が付けられ、左右のつまみの上には鶯を止まらせた形となっています。
  天満宮ではこの25日が今年最後の縁日「終い(しまい)天神」。しめ飾りなどの正月用品をそろえた露店が数多く立ち並び、大勢の人でにぎわいます。

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海外の茶の湯:雪の点茶盤(フィンランド)
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  今号では様々なお茶の楽しみ方の中から、ちょっと変わったご当地ならではのものを紹介します。
  雪と氷の国フィンランドでは、雪で点茶盤や風炉などを作り、お茶を楽しむ方がいます。現在裏千家学園に留学中のミカ・マケラさん(写真左)にお話を伺いました。


  写真はヘルシンキにある茶室「徳有庵」の隣で点茶盤の稽古の為に点茶盤の他、風炉・杓立・椅子・茶碗を雪で制作し点前をしているところです。


  

「フィンランドには、御薗棚はありますが、点茶盤はありません。点茶盤の稽古をするには見立てでする必要があるため、5〜6名でこのような試みをしてみました。
風炉は、灰を入れて、炭をついでも特に問題なく湯が沸き、点茶盤・椅子も思ったより上手く出来ました。でも茶碗は2服〜3服で溶けてしまいましたよ」と楽しそうに話してくれました。
  またミカさんは「やはり外でのお茶は非常に寒いので、将来は茶室そのものも雪で作ってみたいと思っています。そうすればお客様も寒さが凌げ、趣向も変わっていて面白いのでは」と夢を語っていました。


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