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第6号(平成24年1月15日配信)

「初釜と初釜の間」 伊住公一朗

  新年おめでとうございます。
  2012年も半月経ちました。遅ればせながら、今年も1年宜しくお願いします。
  さて、京都では宗家初釜式が無事終わりました。ほっと一息も束の間。ただいま東京に来ております。そう!東京道場に於いて東京初釜式が明日から始まるのです。京都の初釜式が終わったと同時に、道具類の梱包・輸送、そして我々人員も一路東京へと大移動。小寒、大寒を感じる間もなく、いよいよ明日東京初釜式がスタートします。
  皆さまにお会いできる事、楽しみにしております。

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平成24年壬辰歳 今日庵初釜式
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  1月7日、京都において平成24年壬辰歳の宗家初釜式が始まりました。


  式場の「咄々斎」の床には、元伯宗旦居士筆「龍虎」。伝来の花入・利休端ノ坊には曙椿と鴬神楽、さらには結柳と春日台にのせた神鈴の設えで賀客方をお迎えしました。※結柳の由来は裏千家ホームページ内「お家元と一問一答」51番に詳しく出ていますのでぜひご覧ください。※
  初日の第一席には、千宗左表千家家元、千 宗守武者小路千家家元はじめ多数の賀客方をお迎えし、坐忘斎家元が練られた濃茶を鵬雲斎大宗匠が千 宗左家元に取り次がれました。伊住公一朗氏、伊住禮次朗氏はじめ宗家方が一碗を運び出され、終日途切れることのない賀客方をもてなされました。



  茶道会館二階には祝膳席、茶道会館一階と裏千家学園には薄茶席が設けられ、訪れた賀客方は賀詞を交わし合いながら新年を寿ぎました。

薄茶席:茶道会館 薄茶席:裏千家学園

  また期間中、茶道資料館では新春展「新春の取り合わせ(前期1月7日〜2月19日)」が開催。※裏千家グラフ12月号で紹介された一入作の黒樂茶入「尉との」が後期(2月21日〜3月20日)に展示される予定です※
  呈茶席でも、迎春の設えで来館者に一碗が呈されました。床は大宗匠筆「竜得水起意氣」、床脇には日陰蔓(ヒカゲノカズラ)の蓬莱飾り。天岩屋戸の前でアメノウズメが舞った際にたすき掛けにした“日影”が日陰蔓とされます。また、かつては宮中の神事・新嘗祭に際して、日陰蔓を冠につけたと伝わっています。



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