ひな祭り茶会

[島根支部いずも青年部]

  私たちいずも青年部は3月3日、出雲市の四絡(よつがね)幼稚園において、上巳の節句を祝う「ひなまつり茶会」を開催しました。
  園児と保護者、教員がともに学ぶ「幼稚園」を目指す同園から、「本物を体験する教育」の実践としての茶道講座への協力要請が寄せられたのを受けて、地域社会への奉仕活動としてこの茶会を実施させていただきました。
  はじめに、徒然棚、桃絵の水指、蛤香合に雪洞(ぼんぼり)の蓋置と雛祭りにちなんだ道具を取り合わせて、青年部会員による薄茶点前のデモンストレーションを行いました。続いて、ボランティアのお母さん方にもお手伝いいただき、園児に干菓子と薄茶をふるまいました。
  テーブル、椅子が中心の生活の中で、正座をする機会の少ない子どもたちがほとんどですが、みんな足を崩すことなく熱心に耳を傾けてくれました。「お先に」「頂戴いたします」といった挨拶もきちんとでき、小さな両手で茶碗を持つ姿は大変微笑ましく、子どもたちの反応に園長先生から、「今度は端午の節句がいいですね」との話が持ち上がるほどでした。
  園児を対象にしたお茶会は当青年部にとりましては初めての試みでしたが、後日、お母さん方や子どもたちからたくさんのお手紙をもらい、充実感もいっぱいで茶道のすばらしさを改めて教えられたように思います。
  今後、この取り組みを学校茶道や伝統文化こども教室といった活動の足がかりにしていきたいと考えています。

淡交「いちょうプラザ」2003.6月号より    

会員の点前に身を乗り出す園児たち 心を込めてご挨拶