千 玄室大宗匠、パリを訪問
− 駐仏大使公邸での献茶式とギメ東洋美術館講演 −

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ギメ東洋美術館内茶室「虚白庵」

  千 玄室大宗匠は平成30年6月27日(水)から7月2日(月)まで、フランス・パリを訪問され、駐仏日本国大使公邸にて日仏友好・世界平和祈念献茶式を執り行い、またフランス国立ギメ東洋美術館からの依頼により、京都・パリ友情盟約締結60周年も記念した特別講演に臨まれました。

  6月28日(木)、駐仏日本国大使公邸にて、大宗匠による日仏のさらなる友好および世界平和を願う献茶式が厳修されました。
  午後2時30分、在仏日本国大使館による司会進行のもと献茶式が開始され、木寺昌人 駐仏日本国特命全権大使より挨拶。その後、グルドー=モンターニュ フランス外務次官、ルイ・シュヴァイツァー ルノー元会長をはじめとする来賓、フランス国民議会議員、外交関係者などの参加者が見守る中、大宗匠は厳かに一碗を点じ、献茶台に献じられました。

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木寺大使挨拶

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  献茶式に続く挨拶で、大宗匠は献茶台が設けられた壁面に描かれた「和」の字について触れられ、「和は平和の和であり、和やかの和でもあります。今年は日仏友好160年にあたります。日本とフランスは手を取り合い、世界中の国が平和に、和やかに暮らしていけるよう努力いたしましょう」と世界平和を願う気持ちを述べられました。
  最後に、出席者全員に呈茶が行われました。

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大宗匠挨拶

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パリ協会会員のお手伝いによる呈茶


  30日(土)には、パトリック・ドゥヴェジアン オー=ド=セーヌ県知事が、オテル・ドゥ・クリヨンにて大宗匠を表敬。1966年に大宗匠が寄贈され、2017年夏に修復工事を行った、オー=ド=セーヌ県内にあるアルベール・カーン庭園の茶室「青楓庵」について話されるなど、和やかに歓談されました。

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ドゥヴェジアン オー=ド=セーヌ県知事による表敬

  同日午後2時より、フランス国立ギメ東洋美術館に於いて、京都市とパリ市との友情盟約締結60周年を記念し、大宗匠による特別講演「Esprit de THE」が開催されました。大宗匠は、茶道は中国や韓国などの東洋の国々だけでなく、キリスト教の普及のため日本へ来た宣教師などによる西洋の国々の文化の影響も受けて成り立っていると述べ、自身の戦争体験にも触れた後、「茶道は洋の東西を問わず、世界の全ての人に受け入れられるものです。小さなお茶碗を、いかがですかと勧め合い、お先にとお互いにいただく。今世界は忙しなく争いごとが絶えませんが、皆で手を繋ぎ合っていくことができるよう、そのような気持ちを学んでいただきたいと念願し、私は世界中を回っています」と、満場の参加者へ向けて、世界平和を願う気持ちをあらためて語られました。

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  講演後には呈茶席が設けられ、参加者に心尽くしの一碗が呈されました。

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