千 玄室大宗匠、シドニーを訪問
淡交会シドニー協会発会40周年・裏千家ブリスベン連絡所開設39周年記念行事

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  5月5日(日)〜8日(水)、千 玄室大宗匠はオーストラリア連邦のシドニーを訪問。茶道裏千家淡交会シドニー協会発会40周年(会長:松永義明氏)及びブリスベン連絡所開設39周年(山田宗文駐在講師)記念行事に臨まれました。
  シドニー協会の前身である裏千家シドニー支部は1973年9月、大宗匠(当時・家元)がクィーンズランド大学の招請により訪豪された際に、オセアニア地域最初の裏千家海外支部として発会。そして、2001年の海外協会制度変更に伴い、茶道裏千家淡交会シドニー協会となり現在に至っています。一方、ブリスベン連絡所は翌1974年、クィーンズランド大学での茶道講座開講にあたり、宗家より駐在講師が派遣され、開設されました。
  40年という年月が流れ、オーストラリアの目覚ましい発展と共に歩んできたシドニー協会並びにブリスベン連絡所の慶事を祝って、記念行事が開催されました。

【シドニー協会40周年、ブリスベン連絡所39周年記念晩餐会】
  5日、午後6時からシドニー湾サーキュラキー地域に建つパーク・ハイアット・シドニーを会場に記念晩餐会が催されました。
  記念晩餐会には、秋元義孝駐オーストラリア日本国大使、ニューサウスウェールズ州政府グラディス・ベレジクリアン交通大臣、水上警察マーク・ハッチングス長官、淡交会メルボルン協会ポーリーン・ギャンデル会長夫妻ら120名程が出席。大宗匠の来豪を歓迎しました。 
  松永会長の開会の挨拶に続いて大宗匠が挨拶をされました。

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松永会長挨拶 大宗匠挨拶

  その後、協会の発展に尽力された方々への功労者表彰が行われ、大宗匠より表彰状と記念品が授与されました。続いて大宗匠が協会に茶道具を寄贈されました。

《功労者表彰》
  シドニー協会
   功労賞:ロザリーン・マクヴィティー宗州名誉会長、松永義明会長
   奨励賞:ジュリアン・マクヴィティー宗真幹事、弥生・マロニー宗榮氏、ジョイス・ミレッジ宗博氏
  ブリスベン連絡所
   功労賞:山田宗文裏千家ブリスベン駐在講師
   奨励賞:古川宗春氏

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功労者表彰(マクヴィティー名誉会長)功労者表彰(古川宗春氏)

  また、晩餐会では、40年間の歴史を振り返る多数の写真のスライドショーが映し出されました。画面を見ながら懐かしくもあり、また楽しい思い出を語る声が随所で聞かれ、和やかな雰囲気の中、盛会裡に終了しました。

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来賓挨拶(秋元義孝大使)

【千玄室大宗匠記念講演・茶道デモンストレーション】
  6日は午後1時から国立海洋博物館ホールにて、在シドニー日本国総領事館、国際交流基金シドニー事務所及び国立海洋博物館の後援の下、大宗匠の記念講演が開催されました。
  講演会は、ジュリアン・マクヴィティー宗真幹事の司会で開会。 大宗匠は秋元大使、ギャンデル会長夫妻はじめ多数の来賓と250名の参加者を前に、「平和と茶道のこころ」と題して講演されました。講演の中で大宗匠は、オーストラリア人で最初の茶道の解説書を書いたサドラーについて触れられ、オーストラリア人が早くから日本茶道を理解し、それが今日のオーストラリアにおける裏千家茶道の発展につながっていることを説明されました。
  続いて行われた茶道デモンストレーションでは、大宗匠が解説され、亭主を倉斗宗覚今日庵業躰、半東を山本宗知業躰、客を地元オーストラリアの社中がつとめました。

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国立海洋博物館

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【シドニー協会40周年、ブリスベン連絡所39周年記念茶会】
  記念茶会は記念講演会と同じ、国立海洋博物館を会場に、シドニー協会席及びブリスベン連絡所席の2席が設けられました。
  シドニー協会、ブリスベン連絡所はそれぞれに、会場の海洋博物館に相応しく、海に因んだテーマで地元オーストラリアのものを中心に道具を取り合わせ、会員達の手作りの菓子で来場者に心づくしの呈茶がなされました。また、オーストラリアで作られた茶道具の展示コーナーも設けられました。
  秋元大使夫妻ら来賓と共に席入りされた大宗匠が、自らも点前を披露されるなど、終始和やかな雰囲気の記念茶会となりました。

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サーフボードを立礼棚に見立てたシドニー協会席

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ブリスベン連絡所席

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【シドニー湾海上慰霊祭】
  7日の午前、太平洋戦争時、シドニー湾にて沈没し、今もなお海底に眠る特殊潜航艇の乗組員を慰霊し、平和を祈念する海上慰霊祭が催されました。
  午前10時、ニューサウスウェールズ州水上警察の高速艦船「ネメシス号」がシドニーのワトソンベイを出港。大宗匠は、秋元大使夫妻、小原雅博駐シドニー総領事、松永会長夫妻、オーストラリア側はニューサウスウェールズ州環境遺跡局ティム・スミス局長、ハッチングス水上警察長官、海洋研究学者ら20名と共に乗船され、片道約90分の距離にある特別保全区域に赴かれました。
  慰霊祭では日豪国歌を一同斉唱し、渡部重信浄土真宗開教師の読経に続いて大宗匠がお茶湯の儀を厳修。一同合掌の下、戦没者が眠る海に慰霊と平和祈念の一碗が捧げられました。
  また、参列者より献花が行なわれました。
  特殊潜航艇が沈む海域は、M24保存特別指定海域とされ、通常は立入り禁止の区域となっています。この度、地元ニューサウスウェールズ州政府及び水上警察より特別の許可と協力を得て、海上慰霊祭が実現しました。後日、水上警察の上層部からは、「千 玄室大宗匠の慰霊の思いに感謝致します。このような機会に私たちがお手伝いできた事は、非常に名誉なことでした」とのメッセージが届きました。

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ネメシス号M24保存特別指定海域

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