千 玄室大宗匠、ウクライナ訪問
―日本・ウクライナ外交関係樹立20周年記念事業―

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キエフの中心地「独立広場」

  千 玄室大宗匠は、9月12日(水)から17日(月)までウクライナ国キエフ市を訪問されました。本年が日本・ウクライナ外交関係樹立20周年にあたることから、坂田東一駐ウクライナ日本国特命全権大使より裏千家に茶道を通じての文化交流行事をとの要請があり、大宗匠がこれに応えて実現したものです。

  13日午前、大宗匠はミコラ・アザーロフ首相を閣僚会議ビルに表敬されました。首相は、ユネスコ親善大使でもある大宗匠の来訪は大変光栄であり、日本文化を代表する茶道の紹介が行われることを心から歓迎すると述べられました。大宗匠は、野田佳彦総理から託されたメッセージを紹介され、歴史のあるウクライナと日本との交流が促進できれば大変嬉しいことであると応えられました。その後、大宗匠は首相に一碗を呈され、首相は日本への深い関心を寄せられました。

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アザーロフ首相に一碗を呈される大宗匠

  同日午後、キエフ市のフェアモント・グランドホテル・キエフにおいて、日本・ウクライナ外交関係樹立20周年記念事業として、日本国大使館との共催で地元の要人を招いたお茶会が開催されました。それに先立ち、大宗匠は井手憲文観光庁長官からイリナ・シャポヴァロヴァ観光庁長官宛のメッセージをヴァレンティーナ・ホルディエンコ同庁副長官に、また、キエフと姉妹都市である京都市の門川大作市長からオレクサンドル・ポポフ市行政府長官宛のメッセージをオレクサンドル・マズルチャク同行政府第1副長官に手渡されました。お茶会には、ウォロディミル・ホローシャ チェルノブイリ危険区域管理庁長官、ウラディスラヴ・ヤクボフスキー環境投資庁長官、ウラディスラヴ・ルキヤノフ対日友好議連副会長はじめ、外務省、文化庁、観光庁、キエフ市行政府等の関係者、最高会議議員、各国大使、美術館、教育・文化施設、日本文化関係者等約100名が参席。舞台上では大宗匠自らが茶道についての解説を交えながら点前を披露されました。

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点前をされる大宗匠お茶会の様子

  14日、大宗匠は、この度のウクライナにおける諸行事の開催にあたり多大なる尽力をいただいた坂田駐ウクライナ大使を大使館に訪問され、ウクライナ事情について説明を受けられるとともに、今後の両国間の交流促進について和やかに懇談されました。

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坂田大使夫妻を訪問


  15日午後には、ウクライナ国立キエフ工科大学のユーリー・ヤキメンコ第1副学長を表敬され、茶道具一式と茶道関連の書籍を贈呈されました。その後、大宗匠は同大学文化芸術センター大講堂において、裏千家、日本国大使館、ウクライナ日本センターの共催による茶道講演に臨まれました。定員をはるかに超える約2,000名のウクライナ市民を前に、今日庵業躰部と淡交会モスクワ協会が且坐之式のデモンストレーションを行い、大宗匠自ら詳細な解説をされました。講演終了後の質疑応答では、茶道文化に初めて触れた聴講者から次々と質問が寄せられ、大宗匠がそれら一つ一つに丁寧に答えられました。別室では、ウクライナ日本センターの茶道グループとモスクワ協会が来賓約300名へ呈茶を行いました。

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ヤキメンコ キエフ工科大学第1副学長表敬

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茶道デモンストレーションを解説される大宗匠

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記者団の質問に応えられる大宗匠

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会場の様子満員で会場からあふれロビーに設置
されたモニターを熱心に見入る聴講者

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来賓への呈茶の様子

  講演終了後、大宗匠はチェルノブイリ被災者慈善市民団体「ゼムリャキ」のタマーラ・クラシツカヤ代表と面談し、現在もなお被害に苦しむ被災者へお見舞いの言葉を述べられるとともにゼムリャキの支援活動を激励されました。

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クラシツカヤ代表とともに

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