千 宗室家元一行
米国カリフォルニア州サンフランシスコ、ロサンゼルスを訪問

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浄土真宗本願寺派北米教区サンフランシスコ仏教会ハンティントンガーデン(ロサンゼルス)

  千 宗室家元、千 万紀子今日庵理事、伊住公一朗淡交会理事、大谷宗裕淡交会理事は、4月8日(日)から15日(日)まで米国サンフランシスコとロサンゼルスを訪問、淡交会サンフランシスコ協会60周年・裏千家サンフランシスコ出張所30周年、並びに淡交会ロサンゼルス協会60周年の諸行事に臨まれました。

 ■サンフランシスコ
  4月9日は、まず、サンフランシスコ市内にある浄土真宗本願寺派北米教区サンフランシスコ仏教会献茶式が、同仏教会の小畑ロナルド開教使を導師として執り行われました。
  家元にとって米国での初めての献茶式であり、猪俣弘司駐サンフランシスコ日本国総領事、原 丈人淡交会サンフランシスコ協会会長をはじめ地元の同門約250名が参列しました。

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小畑ロナルド開教使挨拶される家元

  続いて、ホテルニッコーを会場として、協会60周年並びに出張所30周年の濃茶席(担当:サンフランシスコ出張所)と薄茶席(担当:サンフランシスコ協会)が設けられ、参加者はそれぞれの趣向を楽しみつつ一碗を味わいました。
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濃茶席(担当:サンフランシスコ出張所)薄茶席(担当:サンフランシスコ協会)

  午後2時30分より家元の記念講演を開催。協会を代表して沖山泰彦副会長の挨拶の後、家元は35年前にサンフランシスコを訪問した折の思い出と、アメリカ文学との出会いを端緒に、人として、茶の湯者としていかに生きるかについて、心理学における「不安」をキーワードに説かれました。そして、「これからも異なりを認め合いながら共に生きるという日本人の美意識を持ち続けていただきたい」と締めくくられました。
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沖山副会長

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  講演に引き続き、家元の解説により薄茶点前のデモンストレーションが行われました。
  (点前 万紀子様、正客 伊住公一朗様、次客 大谷宗裕様)
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  午後5時からは、同ホテルにおいて記念式典と晩餐会。まず、日米両国の国歌斉唱に引き続き、原 丈人会長から主催者を代表しての挨拶、家元より祝辞の後、猪俣弘司総領事にサンフランシスコ協会名誉顧問の委嘱書が手渡されました。

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原 会長挨拶猪俣総領事へ委嘱書授与

  猪俣総領事の祝辞の後、この度の周年行事を記念してサンフランシスコ市長より4月9日を裏千家デーとすることが決定された旨報告があり、会場からは拍手が沸き起こりました。
  功労者表彰では、家元よりジョン・リッチー名誉会長(代理は子息のマーク・リッチー氏)と小原宗香協会参与(名誉師範)に表彰状と記念品が、原会長からの会長表彰として広 久寿相談役(代理はラリー・ティスコニア副幹事長)、沖山泰彦副会長、藤本宗賀参与、田内宗愛相談役各氏に記念の楯が贈られました。また、猪俣総領事からは小原宗香氏の長年の文化交流への功績に対して感謝状が贈られました。
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マーク・リッチー氏
(ジョン・リッチー氏代理)
小原参与


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沖山副会長藤本参与

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田内相談役

猪俣総領事より小原参与へ
総領事表彰授与

  晩餐会は万紀子様の乾杯で開宴。北米各地から集った参加者が宗家を中心として記念の年を和やかに祝いました。
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万紀子様による乾杯

  最後に協会を代表して小原宗香氏が、また出張所のクリスティー・バートレット宗榮駐在講師が謝辞を述べ、閉会となりました。


 ■ロサンゼルス
  ロサンゼルスでは、郊外のサンマリノに位置するハンティントンライブラリー、アートコレクション&ボタニカルガーデン(以下、ハンティントンガーデンと記述)の主催による茶室「清風庵」の扁額除幕式とその記念行事、また、淡交会ロサンゼルス協会60周年の諸行事が行われました。
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  ハンティントンガーデンは、鉄道王ヘンリー・ハンティントンの広大な邸宅を開放したもので、約25万坪の大庭園内に図書館、美術館、植物園が点在しています。
  茶室「清風庵」(14代淡々斎宗匠命名)は植物園内の日本庭園にありますが、元々は1960年代に裏千家よりパサディナ仏教会に寄贈されたもので、大谷宗裕様の父君である大谷巳津彦氏と中村外二氏の製作になります。ハンティントンガーデン内の日本庭園の大修復工事にあたり、パサディナ仏教会から移築され、中村義明氏(中村外二氏子息)により再建、日本庭園100周年の記念行事の一環として披露されることになりました。

  12日午後、ハンティントンに到着された一行は、まずプレジデントオフィスで同財団の幹部と面会、芳名録に揃って記帳されました。
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  扁額除幕式では、まずハンティントンを代表して評議員のチャールズ・トーントン夫人、ジェイムス・フォルソン植物園長が挨拶、家元の挨拶に続きリチャード・サン サンマリノ市長、新美 潤総領事が祝辞を述べられました。
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チャールズ・トーントン夫人ジェイムス・フォルソン植物園長

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リチャード・サン市長新美総領事

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  扁額除幕に続いて、「清風庵」ではロサンゼルス協会が席主となり茶席が設けられました。
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  午後7時30分よりフレンズホールにおいて家元の講演が行われました。聴講者400名の約半数がハンティントン財団に申し込んだ一般市民であることから、家元は「今と向き合う(Facing the Present)」の演題で、茶の湯の精神を数々の逸話を紹介しながら平易に解説。人としていかに生きていくか、一期一会の言葉を引いて伝えられました。
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  薄茶点前のデモンストレーションは、家元がユーモアあふれる語り口でその所作と精神を解説されました(点前 伊住公一朗様、正客 万紀子様、次客 大谷宗裕様)。
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  翌13日は、淡交会ロサンゼルス協会60周年の諸行事が行われました。
  記念茶席は、ラングハムハンティントンホテルにロサンゼルス協会の男性会員による立礼席、ハンティントンガーデンに2席(担当:ロサンゼルス協会教授部、同協会青年部・ESS)が設けられました。それぞれが60年の歴史と数々の出会いを物語る道具組で参加者をもてなしました。
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立礼席(担当:協会男性会員)薄茶席(担当:協会教授部)

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薄茶席(担当:協会青年部・ESS)

  午後5時30分からは、式典・晩餐会が執り行われました。
  金井紀年会長の主催者挨拶、家元の祝辞に続き、家元から新美総領事に協会名誉顧問の委嘱書が手渡されました。その後、新美総領事より祝辞が述べられました。
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金井会長挨拶 新美総領事へ委嘱書授与

  続いて、家元より松本宗静名誉師範に、また金井会長より坂原宗重氏、佐藤宗華氏に対し、いずれも永年に亘る協会への尽力と茶道人の育成の功績による表彰が行われ、会場内は拍手に包まれました。
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松本宗静名誉師範

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坂原宗重氏佐藤宗華氏

  ハンティントンのジェイムス・フォルソン植物園長の乾杯の発声により会食がスタート。北米各地からの参加者が宗家を囲んで和やかに交流しました。
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ジェイムス・フォルソン園長による乾杯

  ロバート・堀副会長の閉会挨拶により、60周年を記念した諸行事は閉会となりました。
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ロバート・堀副会長

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