千 玄室大宗匠、アブダビを訪問

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アブダビの迎賓館も兼ねるエミレーツ・パレスと同ホテル内茶室「緑水庵」

  千 玄室大宗匠は、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のシェイク・ムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン皇太子殿下の強い要請により、12月3日(土)から5日(月)まで首都アブダビを訪問されました。2008年に初めて同地を訪問されて以来、今回で4度目の訪問となりました。

  4日正午、2009年に大宗匠が献上され、ムハンマド皇太子殿下自らが揮毫された扁額が掲げられたエミレーツ・パレス内の茶室「緑水庵」に、ムハンマド皇太子殿下の弟君シェイク・ハムダン・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン殿下、同国閣僚級の方々を迎えて茶会が催されました。大宗匠は「茶室の中では人種や宗教を超えてあらゆる人が交流し、一碗を楽しみ、互いに尊敬し合うことで和が生まれ、平和へと繋がります。」と挨拶。さらに「緑水庵」は砂漠だったアブダビの地が緑と水に恵まれた心のオアシスとなることを願って命名し、皇太子殿下の思いが込められていることを伝えられました。
  大宗匠がハムダン殿下に一碗を献じられた後、大宗匠の指導の下、殿下は自らも一碗を点じられ大宗匠が喫されました。大宗匠が抹茶は健康に良いことを説明され、薄茶をふた杓入れるように促されると殿下は「大宗匠の健康のためにもうひと杓入れましょう」と言われ、大宗匠も思わず笑みをこぼされる一幕もありました。

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ハムダン殿下と握手される大宗匠

picture 茶会の列席者:
ハムダン殿下、
アフマド・ムバラク・アル・マズルーイ
執行法議会議長(官房長官)兼水電力庁長官、
ナセール・アフマド・アル・スワイディ経済開発
庁長官、ハマド・アル・フル・アル・スワイディ
財務庁長官などの方々

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アブダビで稽古を続ける学生達と大宗匠茶会の様子を伝える地元新聞

  5日午後1時からは、もともと女子大学であったザイード大学アブダビキャンパスのホールにて女子学生を対象に大宗匠の講演会が開催されました。大宗匠は「茶の文化」をテーマに、茶道にはあらゆる宗教に通じる「和」の心があり、「和敬清寂」の実践により争いのない平和な社会の構築が可能になると説かれました。講演に続いて、2009年に宗家で学んで以来稽古を続けているアブダビ在住の学生を中心にデモンストレーションが行われました。聴講する学生達は初めて見る茶道の姿に触れ、熱心に見入っていました。一方、デモンストレーションを担当した学生は宗家での経験を生かして、堂々と茶道紹介の役目を果たしました。
  茶の湯をこよなく愛されているムハンマド皇太子殿下、ハムダン殿下のもと、中東の国アブダビにおいて、日本文化を代表する茶道が着実に芽吹き始めたことを実感させる今回の訪問でした。
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ザイード大学キャンパス呈茶席

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現地学生によるデモンストレーション講演終了後、聴講した学生達と大宗匠

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