千 玄室大宗匠、米国の海軍士官学校で講演
「一碗からピースフルネスを」の心を説く




  千 玄室大宗匠は、4月15日から20日まで米国を訪問され、メリーランド州アナポリスのネイヴァル・アカデミー(米国海軍士官学校)で平和祈念献茶式と講演・茶道デモンストレーションを開催されました。
  この度の行事は、前年に大宗匠が訪米の折アカデミーを視察された際、大宗匠が、アカデミーで今も同じ海軍の勇敢な大先輩として尊敬を集めているカミカゼ特攻隊の一員であったこと、そして第二次大戦後は世界平和推進に尽力されていることに感銘を受けたアカデミーからの強い招聘により実現したもの。



  4月18日早朝よりバンクロフトホールのメモリアル・ホールに献茶台が特設され、午前9時より「平和祈念献茶式」が厳修されました。献茶式には、アカデミーの教授陣初め日本語を選考している幹部候補生等200人が参列。大宗匠は平和への強いメッセージが込められた一碗を謹点された。






  引き続いて大宗匠の特別講演が行われました。大宗匠は講演で自らの戦争体験を交え、茶道を通して敬意や思いやりの心を学び、世界平和に貢献して欲しいと候補生を激励されました。講演を済まされた大宗匠は急遽候補生を茶席に上げられ自ら点前の指導。学生からは、「軍人は国や国民に奉仕するもの。茶道から亭主と客がともに敬い合う心を感じた」という感想が聞かれました。






  その後、同道の宗家稽古「すみれ会」メンバー及び淡交会ワシントン協会社中による呈茶が行われ、学生たち全員に一碗が呈されました。




  アカデミーでは日本語研修プログラムに裏千家宗家の訪問が組まれており、5月中旬と6月初旬に分かれて約20人の学生が茶室訪問をする予定となっています。
  「一碗からピースフルネスを」を提唱し、世界平和を訴え続けられている千 玄室大宗匠の活動はさらに力強く広がりを見せています。