千 玄室大宗匠 茶室披きのため米国サンフランシスコを訪問
〜平和の大切さを確認〜


アジア美術館茶室は、サンフランシスコ
にちなんで「霧中庵」と命名


  千 玄室大宗匠は、4月17日〜22日まで桜や藤など美しい花々が咲き誇るサンフランシスコを訪問され、サンフランシスコ・アジア美術館に新しくできた茶室「霧中庵」の茶室披きの他、同美術館主催の講演やスタンフォード大学での講演、茶道デモンストレーションを行われました。

「霧中庵」茶室披き 中央の婦人はシャーロット・シュルツ元米国国務長官夫人


  メイン行事となったアジア美術館「霧中庵」茶室披きは、4月21日午後4時より行われ、中村滋在サンフランシスコ日本国総領事ご夫妻、金成憲道カリフォルニア・ユニオン・バンク会長夫妻、シャーロット・シュルツ元米国国務長官夫人等来賓の他美術館関係者約40人が出席。大宗匠、エミリー・サノ同美術館館長の挨拶に続き、扁額の除幕が行われました。その後、大宗匠自ら茶室にて点前を披露。茶室の背景にある精神哲学を説明されました。出席者の質問にも一つ一つ丁寧に答えられました。


  これに先立って4月18日にはアジア美術館主催で千 玄室大宗匠の講演が行われました。講演会場となったハーブスト・シアターは1945年に国連憲章が調印された由緒ある場所。「Tea Life-Tea and Zen」との演題で、大宗匠は800人を超える聴講者を前に茶と禅との関わりにとどまらず、茶の平和の精神を分かり易く話されました。その後のデモンストレーションに続く質疑応答においては多くの質問があり、聴講者の関心の高さが伺えました。



    大宗匠はハーブスト・シアターにて
    800人の聴衆を前に講演


  翌19日にはスタンフォード大学をご訪問、ジョン・ヘネシー学長の出迎えを受けられ、同大学アルムナイ・センターにおいて「Peacefulness through a bowl of tea」の演題で講演されました。演題は、大宗匠のこれまでの平和への取り組みに強い関心を示した大学側からの希望によるもの。学長夫妻、中村総領事夫妻臨席のもと、定員の120名を上回り、立ち見が出るほどの研究者、学生、一般聴講者が来場。大宗匠は講和条約の年に訪米されたことを含め50年に亘る茶道の海外布教を振り返り、時折ジョークも交えながらの和やかな中にも平和の大切さを再確認するご講演となりました。
  また、会場前では茶道裏千家淡交会サンフランシスコ協会による呈茶席が設けられ、来場者に心づくしの一碗を召し上がって頂きました。
  夜にはウエスティン・セント・フランシス・ホテルに於いて中村総領事夫妻、大宗匠の50年来の親しい友人であるジョン・リッチー氏夫妻、着物ショーのためにサンフランシスコ滞在中の山野正義氏(茶道裏千家淡交会東京第八北支部長)夫妻、令嬢の山野・ジェーン女史夫妻の他アジア美術館、スタンフォード大学、裏千家サンフランシスコ出張所、裏千家淡交会サンフランシスコ協会関係者約100人を招いての大宗匠主催晩餐会が行われ、古くからの友人や親しい方々との思い出話が弾む大変和やかな晩餐会となりました。


スタンフォード大学アルムナイ・センターにて講演


西海岸地域の名門、スタンフォード大学


    大宗匠主催の懇親夕食会がセントフラン
    シス・ホテルにて開催。