千 宗室家元 韓国・金海市を訪問

名刹・銀河寺において献茶式
仁濟大学での特別講演・茶道デモンストレーションに熱い視線


  千 宗室家元は4月2〜5日の4日間、韓国・金海(きめ)市を訪問されました。金海市は釜山市の隣に位置し、伽耶国のあったといわれるところ。
  「インドより伝来した将軍茶にて振興を図りたい」という宋 銀復市長の招請により、このたびの訪問が実現しました。

  初夏を思わせる爽やかな陽気となった3日午前、お家元は韓国南部の名刹・銀河寺において献茶式を厳修されました。宋 銀復市長はじめ150名を超える参列者が見守り、静寂のうちにお家元が謹点された一碗が本尊へ。堂内は厳粛な雰囲気に満たされ、初めて見る献茶式に感動を覚えた参列者も多かったようでした。


献茶式が行われた銀河寺


家元ご奉仕による献茶式


 翌4日には、医学系の大学である仁濟大学大講堂において、特別講演並びに茶道デモンストレーションが行われました。李 潤求総長、宋 銀復市長はじめ教職員、学生、一般市民ら約400名が聴講。お家元は、茶の医学的な効能、茶道の精神、日本と韓国の文化の比較など、多岐にわたる内容を語られ、さらに茶道の点前をわかりやすく解説、参加者は熱心に聞き入っていました。



講演される家元


茶道デモンストレーション


  4日夜には、今回の家元訪韓に尽力頂いた方々、裏千家淡交会釜山協会の役員、会員を招いて、お家元主催の答礼晩餐会が釜山のロッテホテルにおいて催されました。会場には200名を超える方々が参集され、楽しい一時となりました。

  また、お家元は、一連の茶道紹介行事の合間をぬって国立金海博物館を見学、将軍茶の栽培地視察、さらには地元の方々との交流など、精力的に行動されました。
  日韓共催のサッカー・ワールドカップ開催が目前に迫ったこの時期に、お家元が茶道という日本の伝統文化をもって交流されたことは、何にもまして有意義な訪問となりました。