千 玄室大宗匠、ユネスコ世界遺産条約採択40周年記念最終会合
に出席・講演


  11月6日(火)から8日(木)、国立京都国際会館において、日本政府(外務省、文化庁、環境省、林野庁)とユネスコの共催により、世界遺産条約採択40周年記念最終会合が開催されました。同会合には、イリーナ・ボコバ ユネスコ事務局長、ソック・アン カンボジア副首相、松本大輔文部科学副大臣、浜田和幸外務大臣政務官、梶原康弘農林水産大臣政務官はじめ多数の来賓、ユネスコ関係者等、約600名が参加し、世界遺産保護と開発を両立させる方策や地域社会の役割などについて議論がなされました。

  初日の6日、千 玄室大宗匠はユネスコ親善大使として、「世界遺産と平和」と題して講演されました。大宗匠は、「『心』は何処かにあるのではなく、自分が『考え思う』ことから生まれるのではないでしょうか。その思いこそ『心』なのです」と語りかけられ、「一碗のお茶が養う心の平和を世界中の人々が認識し、地球の未来を救う手立てを考え、世界遺産を守り、伝えることの大切さを再認識して頂ければと存じます」と述べられました。そして「Think globally all together」と結ばれた言葉に、会場からは大きな拍手がおくられました。


世界遺産条約採択40周年記念最終会合
開会セッション
講演される大宗匠


日本政府主催昼食会 呈茶席でイリーナ・ボコバ ユネスコ事務局長を
もてなされる大宗匠とみどり会生


  1972年にユネスコ世界遺産条約が採択されてから40年目を迎えましたが、この間に登録された世界遺産の数は962件。世界遺産条約には、190か国が締約国として参加しており、文化遺産・自然遺産を保護するための国際条約として広く知られています。

  本会合に先立ち、10月29日(月)には、立命館大学朱雀キャンパスにおいて、明日の京都 文化遺産プラットフォームの主催により「明日につなげよ、京の文化」をテーマにパネルディスカッションが開催され、大宗匠が「伝統こそ未来につなぐ」と題して講演されました。




  また、11月7日には、裏千家センターにおいて、明日の京都 文化遺産プラットフォーム主催による座談会が開催され、大宗匠はボコバ ユネスコ事務局長、松浦晃一郎 同プラットフォーム会長(前ユネスコ事務局長)、有馬 ョ底同プラットフォーム理事(京都仏教会理事長)、山田啓二 京都府知事、門川大作 京都市長、木曽 功 ユネスコ日本国特命全権大使、土岐憲三 同プラットフォーム副会長(立命館大学教授 歴史都市防災研究センター長)とともに、最終会合の意義、京都開催の意義、今後の文化遺産の保護・継承のあり方について意見交換されました。大宗匠は、「世界遺産が単なる観光施設として捉えられる傾向があるが、訪れた人が遺産の歴史について学んで頂けるような環境整備が大切です」と述べられました。




  さらに11月9日(金)には、西本願寺の国宝「(こう)の間」において、日本料理文化博覧会実行委員会主催により、日本料理文化博覧会・食文化セッションが開催されました。これは、「和食」の無形文化遺産登録について、平成24年3月にユネスコへの申請がなされたことに伴い、その早期登録への気運の醸成と、日本の食文化の普及啓発を図ることが目的。大宗匠は、市民200名を対象に、和食の素晴らしさやおもてなしの心、また、世界遺産登録の意義について基調講演をされました。