第29回春期講習会
―満開の桜のもと、65名が受講―


  4月3〜5日の3日間、宗家において春期講習会が開講され、全国各地のみならずポートランド、ボストン、ハンブルグ、ソウル、ブラジルより裏千家同門65名が受講しました。




  3日午前9時より、千 宗室家元出席のもと開講式が行われました。
開講にあたって、家元は「この講習会が、これから先の長い修道の中で、皆さんが自分なりの花を咲かせるきっかけとなるように願っています。まずは、正しい位置に坐り、正しい構えで点前に臨むということを身につけてください」と挨拶をされ、受講者を激励。 淡交会宮津支部の田中宗江氏が誓いのことばを述べました。


誓いのことば 受講生を励まされる家元


  開講式の後、受講者は早速各教場に分かれ、実技講習に入りました。
この講習会では、3日間で基本点前、小習事、四ヶ伝、花月の課目が行われました。
受講者は、緊張の面持ちながらも、少しでも多くのことを吸収できるよう、意欲的に取り組みました。

  4日の朝礼には千 玄室大宗匠が出座され、「私は母から、どのようなものでも大事に扱うことの大切さを教わりました。たとえ稽古道具であっても、やさしく語りかけるような気持ちで扱う心を忘れないようにしましょう。そして、あなたの幸せのために、という祈りを込めてお茶を差し上げてください」と語られました。




  5日午後3時より閉講式が行われ、家元より、島根支部・松本宗喜氏に修了証が、佐賀支部・岡本宗美氏に学校茶道教授者適格証が授与されました。


修了証を拝受 学校茶道教授者適格証を授与


  家元は、「短い三日間でしたが、皆さんお一人おひとりの茶人という“船”に穴が空いたりしていないか、見つめなおす機会となったと思います。大きくても小さくても、色鮮やかでも無骨な形でも、どのような船であっても良いのです。今回、皆さんは家元というドックでしっかり点検をされたのですから、自信をもって、これから先の航海を続けてください」と励まされました。




  いわき支部・松崎宗洋氏が三日間の講習、また自身の茶道との関わりを振り返りながら謝辞を述べ、受講生は修道への新たな誓いを胸に、全日程を修了しました。