平成23年辛卯歳 今日庵初釜式

―新年を寿ぎ、一年の嘉祥を祈って―



  時折舞う小雪が古都に趣を添える1月7日、京都の宗家にて平成23年辛卯歳を寿ぐ今日庵初釜式が始まりました。


  式場となった「咄々斎」の床には正親町天皇の御宸翰が掛けられ、伝来の花入・利休端ノ坊には曙椿と鴬神楽が入れられ、結柳、春日台にのせた神鈴という設えで、賀客方を華やかに迎えました。

  初日の第一席には、千 宗左表千家家元、千 宗守武者小路千家家元、山田啓二京都府知事、門川大作京都市長、山田流家元、稲盛和夫京都商工会議所名誉会頭、九條道弘平安神宮宮司、伊吹文明衆議院議員、池坊保子衆議院議員、泉健太衆議院議員、二之湯智参議院議員、林田洋京都府議会議長、塚本能交(株)ワコールホールディングス代表取締役社長、白石方一京都新聞社代表取締役会長兼社長、天江喜七郎(財)国立京都国際会館館長、今日庵老分・顧問方など30名が席入りされました。
  千 宗室家元の炭手前に続いて初釜式恒例の菓子・菱葩が供され、家元が「福禄寿 三ツ重茶碗」に練られた濃茶を千 敬史さんが正客の千 宗左家元に取り次がれました。式場では伊住公一朗氏、伊住禮次朗さんはじめ宗家方が賀客方に一碗を運び出されるなど、華やかな雰囲気の中で新年をともに祝いました。



  賀客方が一碗を順服された後、宗家方が揃われ年頭の挨拶。家元が「卯歳にちなみ、跳ねるように世の中が良くなっていくことを願っております。本年も何卒宜しくお願い申し上げます」と述べられました。



  金剛流宗家の金剛永謹師による謡曲「四海波」も披露され、賀客方は謡を楽しまれるとともに、祝意に包まれた席となりました。


鵬雲斎大宗匠辛卯歳初削茶杓
銘 葉光
坐忘斎家元辛卯歳初削茶杓
銘 三兎




  茶道会館二階広間の祝膳席では、家元夫人、千 万紀子さんや夫人方がおもてなし。新春の慶びとともに杯を交わされました。



  また、茶道会館心花の間と裏千家学園に薄茶席が設けられ、賀意に満ちた趣向で一碗が呈されました。




  京都での初釜式は13日まで開催され、行政・経済界・諸団体代表者、寺社関係者、西日本の裏千家社中はじめ約3000名の賀客方が来庵する予定です。また、16〜20日には裏千家東京道場に会場を移し、東日本の裏千家社中はじめ約3000名を迎える予定です。