平成21年己丑歳の今日庵初釜式が、京都に続いて1月16日より東京都新宿区市谷加賀町の裏千家東京道場において始まり、晴れやかに澄み渡った空のもと多数の賀客方が来庵されました。
式場の茶室「咄々斎」は、正親町天皇御宸翰が掛かり、長く垂らされた結柳に神鈴、利休端ノ坊の花入には曙椿と鶯神楽が入れられた嘉例の設え。
初日第一席には、福田康夫前内閣総理大臣、安倍晋三元内閣総理大臣、江田五月参議院議長、綿貫民輔元衆議院議長、菅 直人民主党代表代行、高村正彦前外務大臣、町村信孝前内閣官房長官、深谷隆司元通商産業大臣、小坂憲次元文部科学大臣はじめ多数の衆参両院議員、今日庵老分方など52名が席入りされました。
千 宗室家元が「福禄寿三ツ重茶碗」に練られた一碗を、千 玄室大宗匠が正客の福田前総理へ。賀客方は年初めの一碗をゆったりと服されました。
その後、宗家方が揃われ、家元が「本年も、大宗匠が永年にわたり提唱している‘一碗から平和を’の精神を多くの方々に伝えていけるよう、努めてまいります。‘牛歩遅々’と言いますが、急げば急ぐほど見失うものが多くなるような気がいたします。牛のようにしっかりと歩みを進めたいと存じております」と年頭の挨拶を述べられました。 |