平成17年乙酉歳 東京初釜式

約3000人の招待客が格調高く賀詞を交わす


  平成17年乙酉歳の新春を寿ぐ東京初釜式が1月16日、新宿区市谷加賀町の裏千家東京道場ならびに東京茶道会館において始まりました。




床に掛けられた正親町天皇御宸翰 乙酉歳初削の茶杓 歌銘「行脚」


  16日は雨模様となりましたが、式場の茶室・咄々斎は曙椿と鶯神楽、正親町天皇御宸翰「詠松樹契久和歌」、神鈴など嘉例の設いにととのえられ、賀客方を迎えました。

  初日には、小泉純一郎内閣総理大臣、扇 千景参議院議長、大野功統防衛庁長官、羽田 孜元内閣総理大臣、綿貫民輔前衆議院議長、福田康夫前内閣官房長官、石原伸晃前国土交通大臣、小野清子前国家公安委員長はじめ衆参両院議員、各国大使・総領事、歌舞伎俳優の市川團十郎丈、知名士、寺社関係の方々、東日本の裏千家同門ら約490人が参席、新春を寿ぐ一日となりました。


小泉首相に一碗を練られる家元 大宗匠から小泉首相へ


  小泉首相は午前9時半に席入りされ、千 宗室家元が練られた一碗を堪能。さらに、家元が酉歳にちなんだ釜の鷺紋や道具の取り合わせ等を説明されると、「世間では鷺ではなくサギ(詐欺)が多いのが困りもの」と応じられるなど、和やかなお席となりました。




  また、翔鳳の間に設けられた祝膳席では、家元夫人、伊住弘美様はじめ夫人方がおもてなし。新年の祝意と本年の安寧を祈って杯が交わされました。


祝膳席で挨拶される夫人方


祝膳席で夫人方のおもてなし


  さらに、道場2階に薄茶席と茶道会館3階に立礼席が設けられ、賀客らは、新年の一碗を味わいながら賀詞を交わし、閑静な一帯はこの時ばかりは新年の華やぎに満たされていました。
  東京初釜式は20日まで執り行われ、約3000人の賀客を迎えます。