「仙叟屋敷ならびに玄庵」20周年にて、大宗匠が記念講演


  平成29年4月22日(土)、石川県小松市にある仙叟屋敷ならびに玄庵が開庵20周年を迎えたことを記念し、千 玄室大宗匠が「御先祖の御かげ」と題して記念講演をされました。
  仙叟屋敷並びに玄庵は、平成9年4月に4代仙叟宗室居士の没後300年を記念して大宗匠(当時家元)が寄贈、これまでの20年間で延べ約1600回・約17万人が市民茶会などの際にこの茶室でお茶に親しんでいます。茶室の寄贈者である大宗匠へは同年8月に小松市名誉市民の称号が贈られました。

  講演に先立ち、同市にある宮本三郎美術館では淡交会石川南支部による記念茶会が開催され、約600名の来場者が一碗のお茶を楽しみました。




  記念講演会は、こまつ芸術劇場うららを会場に開催されました。冒頭、若杉合唱の会による「千の風になって」合唱、和田愼司 小松市長による主催者挨拶があった後、大宗匠が登壇。加賀藩 前田家と先祖である仙叟宗室居士からのご縁、小松市とのつながりなどを語られ、「亭主はもてなすお客様を思い、心を込めて茶席を準備する、客は亭主の心をくみとり、趣を味わう。それが“一期一会”の精神です。お茶の場だけではなく、普段からそうした心をお互いが持つことで、人間関係は素晴らしいものになっていきます。日本人は“(なさけ)”の文化で育ってきました。どうかお一人お一人が気の毒な方に手を差し伸べてあげる、そんな優しい心を茶道をもって養い、穏やかな世の中を築いてください」と結ばれました。




  講演会終了後、20周年を迎えた仙叟屋敷 玄庵において、小松裏千家茶道会による釜が懸けられ、大宗匠は心尽くしの一碗を楽しまれました。