千 玄室大宗匠、山形支部記念行事にて講演


  平成27年5月9日(土)、やまぎんホールにおいて淡交会山形支部主催の特別講演会が行われ、千 玄室大宗匠が「みんな一緒 平和への道」と題して講演をされました。
  山形支部 長谷川吉茂支部長の挨拶の後、登壇した大宗匠は、自身の戦争体験にも触れながら「人はすぐに好き嫌いをつくってしまうが、それが人間関係を駄目にする。互いに敬い合い、相手を思いやる気持ちでいれば、自然と心は清らかになっていきます」と、参加者に語りかけられました。また、戦後70年の今、戦争の記憶自体が風化され遠い昔の話になっていることを憂い、「多くの犠牲のもと、今日の日本があることを忘れないで欲しい。お茶をただ点てるだけが茶道ではない。その一碗に心を込め、決して“叶いたがる”のではなく、真剣な愛をもって自分の心と共に一碗を捧げる。真剣な愛はお茶の心である和敬清寂に通じていくのです」と訴えられました。




  講演に先立ち、山形学校茶道連絡協議会による呈茶席が設けられました。




  講演後、会場を山形グランドホテルに移し「鵬雲斎 千 玄室大宗匠を囲む懇親会」が催されました。長谷川支部長の主催者挨拶に続いて、大宗匠による挨拶、来賓として山形県知事の吉村美栄子氏(代理 細谷知行副知事)、山形市長の市川昭男氏(山形支部顧問)からの祝辞があり、宮城支部 鎌田文惠支部長が乾杯発声。参加者は大宗匠を囲んで和やかに懇親を深めました。その後、山形支部 矢野秀弥副支部長の閉会のことばでお開きとなりました。




  翌10日(日)には山寺芭蕉記念館において、山形支部主催の茶会が催されました。




  同記念館には長谷川支部長寄贈による多くの名品が展示されており、大宗匠は茶会参席前に鑑賞されました。