大阪倶楽部定例午餐会・公開講演会


  平成26年10月8日(水)、大阪市中央区にある一般社団法人大阪倶楽部にて「大阪倶楽部第2976回定例午餐会」にあわせて公開講演会が開催され、千 玄室大宗匠が「一碗から平和を願って」と題して講演をされました。
  大阪倶楽部は、本格的な紳士の社交倶楽部として大正元年(1912年)に創立され、昭和38年には大宗匠夫人の故 千 登三子様(浄光妙登大姉)も講演をされた所縁のある倶楽部です。

  自身の戦争体験にはじまり僧堂での修行など、91年間の人生を振り返っての大宗匠の話に、一般公募者100名を含む460名が熱心に聴き入りました。
  大宗匠は、「近頃は『お茶一服いかがですか』とお勧めすると、作法がわからないと逃げ出してしまう方も多くいらっしゃいます。大阪出身の故 松下幸之助さんは『おもてなしの心は商売に必要だ』と考え、お茶の勉強をしたいと入門されました。お茶は自分の地位や肩書を全て忘れ去り、一無位の真人になることができる教養の場。一服のお茶を、悠々といただく心があれば良いのです」と、アドバイスをされました。
  また、「言葉の情けがなくギスギスした世の中ですが、茶室では連客に『いかがですか』、『お先に』と勧めあい、自ら一歩下がる謙虚な心を思い返すことができます。お茶は人の道を教えてくれるのです。学校に『学校茶道』があるように、一般の会社でもお茶の研修を希望されれば、先生を派遣いたします。これからも関西圏には益々観光客がお越しになりますが、どうぞお茶の心を学び、おもてなしの心を存分に発揮してください」と、説かれました。