千 宗室家元、信州大学教育学部附属長野中学校にて講演




  9月18日(火)、長野市の信州大学教育学部附属長野中学校体育館において、同校主催の第1回教養講座が開催され、千 宗室家元が「幸せの在り処」と題して講演されました。会場には、約600名の生徒と保護者約50名が集い、秋とは思えないほどの残暑の中でしたが、生徒達は元気いっぱいの挨拶で家元を迎えました。




  講演で家元は、若い頃に長野山中に写真を撮りに来た際、熊に遭遇した経験に触れられ、「自然に対する『畏怖』を忘れてはいけません。何でも手に入る時代ですが、太陽や空気、人の命など本当に大切な物は人間には作ることができないのです」と説かれ、人知を越えたものを神と考える、古来からの日本人の宗教観とその変遷を説明。「宗家に茶道を学びに来る外国人は、自分の家族のことや国のこと、国はこうあるべきだ、ということを皆語ります。それは国際交流が盛んな時代に身につけるべき義務ではなく、マナーではないでしょうか。日本人として、自分の国の文化と宗教心を大切にしていただければと存じます」と、伝統文化の大切さについて話されました。