千 玄室大宗匠、京都大学心茶会70周年記念講演会




  12月18日、千 玄室大宗匠は京都大学百周年記念ホールで開催された京都大学心茶会70周年記念講演会において「破草鞋」と題して講演されました。

  心茶会は淡々斎宗匠と京都大学文学部教授の久松真一氏の指導により昭和16年に発足。以来、「日本独自の総合文化創造としての佗茶道の真髄を堅持し、人間の体質改善と文化創造に精進鍛錬すること」を目的に、点前稽古と坐禅および茶道古典の研究を中心とした活動を今日まで続けています。記念講演会には心茶会会員のほか、関西の大学生を中心に約350名が参加しました。


記念講演 倉澤行洋氏挨拶


  心茶会会長の倉澤行洋氏の挨拶に続いて、講演された大宗匠は会の設立当初の稽古風景や後藤瑞巌老師との思い出に触れつつ、「一心に修行に打ち込む中で草鞋が擦り切れたことを意識するのではなく、草鞋がなくなったことにも気がつかないような歩みを目指してください」と語りかけられ、参加者は大宗匠の言葉に深く聞き入りました。

  講演会後には大宗匠と心茶会会員との懇親会が開催され、大宗匠は数十年前の卒業生や現役の学生会員と歓談されました。