千 玄室大宗匠、学校茶道連絡協議会研修会にて特別講演
近畿第二地区学校茶道連絡協議会研修会




  10月10日、千 玄室大宗匠は、大阪市北区中之島のグランキューブ大阪(大阪国際会議場)で開催された近畿第二地区学校茶道連絡協議会研修会にて特別講演をされました。
  開会式では、原田 収大阪東支部支部長・今日庵老分が主催者を代表して挨拶。その後に大宗匠の特別講演が行われました。
  大宗匠は、「戦後、日本人の陰徳がなくなってしまった。茶道を通じて日本人の精神・日本人らしさを教えて欲しい」と語られるとともに、「学校茶道に寄せられる期待は大きく、茶道は次代を担う子どもたちの健やかな成長を促す使命がある」と熱き思いを語られました。


原田 収大阪東支部支部長挨拶


  本研修会では、大阪市教育委員会指導部長・安藤公仁氏の「未来に向けてたくましく生きる"なにわっ子"の育成をめざして」と題して大阪市の教育政策について講演。
  続いて中国から招聘された張建立・中国社会科学院日本研究所研究員・天津商科大学裏千家茶道短期大学教授から「日中茶文化の比較について」と題して「日中両国の良好な友好関係を築くには経済交流だけでなく、北東アジア共通文化の構築が必要であり、茶道の果たす役割は重要」と話されました。また、坂井宗晴天津商科大学裏千家茶道短期大学理事・事務長からは「中国の大学における茶道の現状について」と題して「私どもの大学だけでなく、南開大学、天津商科大学、北京外国語大学、中国仏学院および大連外国語大学においても茶道は授業として採用され、多くの中国人学生が茶道を学び、日本文化への理解のみならず人格陶冶の面からも高い評価得ている」との報告があり、それぞれの立場から、大宗匠が中国に蒔かれた茶道の種を大切に育て、花を咲かせられるよう茶道を通じて日中両国の文化交流に努めたいと力説されました。


大阪市教育委員会指導部長
安藤公仁氏
裏千家茶道短期大学教授
張建立文学博士
裏千家茶道短期大学理事
坂井宗晴事務長・講師


  研修会後半のプログラムでは、大阪府立枚方高等学校の茶道部生徒が「英語でお茶を」と題して、茶道の英語解説にチャレンジ。
  今日庵老分・大阪北支部の丹羽健二支部長、和歌山支部の尾藤昌平支部長、各支部役員、同地区学校茶道連絡協議会役員、会員ら330人の参加者は、大宗匠の特別講演、そして茶道の国際化を考える多彩なプログラムに大きな感銘を受けました。


大阪府立枚方高等学校茶道部生徒の英語による茶道の解説




呈茶を担当した各大学
摂南大学 阪南大学 関西医科大学