千 玄室大宗匠、「平和と文化を考えるつどい」にて講演
広島被爆60周年・国連設立60周年、平和を祈って




  8月9日、広島市・平和記念公園内の広島国際会議場において開催された「平和と文化を考えるつどい」で、千 玄室大宗匠が講演をされました。

  この「平和と文化を考えるつどい」は広島被爆60周年並びに国際連合設立60周年を迎える今年、世界最初の原爆被災地、広島市において、国民の平和の意識向上と世界平和構築の一助を目標に、大宗匠が会長を務められる財団法人日本国際連合協会と社団法人茶道裏千家淡交会中部中国地区の共催で開催されました。

  当日は長崎に原爆が投下された日にあたり、大宗匠は平和記念公園において原爆投下の11時2分、サイレンの音を合図に、「つどい」の出席者の方々、淡交会支部役員と共に、黙祷の後、献花をされました。
  「つどい」に際して広島支部連合会奉仕による呈茶席が設けられ、大宗匠は献花に先立って茶席に入られました。


献花をされる大宗匠


広島支部連合会による呈茶席


  「つどい」は午後1時30分より開始。会場の国際会議場フェニックスホールは、1階席、2階席とも満席で千数百人程の聴衆が参集しました。第1部は、「お茶湯の儀」、大宗匠は平和を祈念し、一碗を献じられました。第2部の開会式には、来賓として藤田雄山・広島県知事、河井克行・外務大臣政務官、関 靖直・広島県教育長、また主催者側より奥原信也・中部中国地区長が出席、それぞれにご挨拶。


■ 第1部 「お茶湯の儀」



■ 第2部 開会式・基調講演

奥原中部中国地区長 藤田広島県知事 河井外務大臣政務官


  続いて、千 玄室大宗匠が『平和にかける思い』と題して約1時間にわたって基調講演をされました。大宗匠は、「お茶の色は、地球と同じグリーン。その土地の恵みの水を以て緑色のお茶を振る舞うことにより、言葉が通じなくても何か心のふれあうものを感じる。一碗に込められた平和を世界人類のために広めたい」と語られ、さらに自身の戦争体験から「真の平和を守らなければいけない」と熱き思いを語られ、聴衆に深い感銘をもたらしました。




■ 第3部 シンポジウム『21世紀の平和・国連の役割』

  第3部は、シンポジウム『21世紀の平和・国連の役割』。京都産業大学・須藤眞志教授をコーディネーターに、シンポジウム出席者は波多野敬雄・学習院女子大学学長、佐藤行雄・日本国際問題研究所理事長、ユネスコ国内委員の中山修一・広島経済大学教授が務められました。波多野、佐藤両氏は国連大使を経験されており、日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りなど時宜を得た話題もあり、一般にもわかりやすく興味深い論旨を展開。「つどい」は午後5時前、盛会裡に終了いたしました。


シンポジウム コーディネーター
須藤眞志氏


シンポジウム出席者
波多野敬雄氏 佐藤行雄氏 中山修一氏