呉市制100周年を記念し、
坐忘斎若宗匠が茶道文化講演会

1800人の聴衆に裏千家茶道を大いにアピール


  千 宗之若宗匠は、3月19日、呉市制100周年を記念する茶道文化講演会で講演されました。
  19日午後、呉市文化ホールに、淡交会呉支部会員をはじめ一般市民ら約1800人が参集。会場には呉支部会員らによって2か所に呈茶席が設けられたほか、開演にあたり、まず『お茶会に招かれて』のビデオ上映、淡交会呉支部の奥原信也支部長、小笠原臣也・呉市長の挨拶の後、若宗匠が「己(おのれ)と語らう」と題してのご講演、さらに茶道デモンストレーションが行われました。
  小笠原市長は「市制100周年の区切りを“お祭り”に終わらせず、歴史を振り返り先人に感謝しながら、新たな英知をもって力強く前進する年にしなければなりません。その意味で、本日の若宗匠のお話は非常に有意義なことと思っております」と歓迎の言葉。

  登壇された若宗匠は、千 利休から450年間受け継がれてきた茶道の『和敬清寂』を繙かれ、「まず自分と和むということが第一。自分をよく知り尊敬し好きになる。それで初めて他人を好きになれる。そこに本当の意味でのもてなすという気持ちが芽生えます。茶の湯の趣向も“しかけ”ではなく、自分も相手と共に和もうとする気持ちの表れ。主客がその場の雰囲気やぬくもりを感じ、言葉を交わし作り上げていく関係こそ、人間同士が知り合う唯一最良の方法なのです」と語られ、さらに「今を生きている私たちも、一人ひとりが過去の多くの命を生きているという思いを持つこと。その命は途切れることがないのです。その自覚をもって人との出会いに踏み出せば、根源的な意味で相手に接することができ、社会も変わっていくのではないでしょうか」と結ばれました。
  平日にもかかわらず多くの市民が参加し、裏千家茶道をアピールする貴重な機会となりました。


講話をされる千 宗之若宗匠 会場を埋め尽くした聴衆


茶道デモンストレーション 立礼でもてなされた呈茶席