伊住宗晃宗匠、加賀市茶道ワークショップで茶道指導

茶道を通じて清らかな心、優しい心を 児童ら和の世界へ




  早春の陽の光が白山に美しく映える2月16日、伊住宗晃宗匠は、加賀市の招聘により、九谷焼美術館で開催された「加賀市学校茶道ワークショップ」(加賀市教育委員会主催)に臨まれました。
  NHKの大河ドラマ「利家とまつ」で一躍脚光を浴びている石川県ですが、裏千家と加賀は、古くから深い交流があります。
  古来「天下の書府」加賀と言われ、千 利休や豊臣秀吉と交友の深かった前田利家が茶の湯を定着させた後、3代藩主利常に仕え、加賀の茶の湯を育て上げたのが、裏千家4代仙叟宗室です。また、大樋焼の長左衛門や釜師の宮崎寒雉らが、仙叟宗室の薫育を受けたことから、輪島塗・九谷焼等の伝統芸術とともに、茶の工芸においても優れた華を開花させました。

加賀市、伝統文化の継承と情操教育を重視

  このような和の文化に対する深い伝統をもつ、加賀市(大幸 甚市長)では、茶道を通じた心の教育を重視。伝統文化の継承と情操を育むため、小学校で茶道を取り入れています。
  加賀市教育委員会では「加賀は大聖寺藩時代に茶道や能楽が栄えた地。伝統文化の体験は郷土を知り、マナーを身に付けることにもつながります。第一級の方をお招きすることにより、伝統文化の奥深さに児童らが触れることを目的にしています」と話しています。


2002年4月オープンの石川県九谷焼美術館 美術館内の庭園


  この日は、日本三霊山の一つ・白山をはっきり望める好天に恵まれました。
  美しい雪におおわれた加賀市に入られた伊住宗晃宗匠は、今年4月にオープンする石川県九谷焼美術館で開催の加賀市茶道ワークショップで、児童たちをご指導。
  今回の参加校は、加賀市内の三谷・湖北・作見・勅使・東谷口・緑丘・動橋・南郷の各小学校。児童86人と保護者33人が参加しました。


わが子の成長ぶりに感激  保護者も児童の日頃の成果を見学


  児童たちは、《お点前》《お茶をいただく》のコースに分かれ、日頃のお稽古の成果を披露。参観にこられた保護者の方々も、緊張しながらも楽しそうに、お点前やお運びをする子どもたちを温かく見つめていました。
  伊住宗匠が美しく見えるお辞儀の仕方やお菓子の食べ方など、児童からの素朴な質問に自ら例を示されながら指導されると、児童や引率の校長先生も感激の表情。
  このワークショップを通じて、子どもたちが、物を大切にする心を学び、人に優しく接する心を育んでいくことが期待されます。



伊住宗匠の前で、緊張の一瞬…でも上手にお点前ができました。


日頃のお稽古の成果を披露する児童を真剣に見守る保護者の方々と淡交会石川南支部会員