大覚寺献茶式
―千 宗室家元奉仕―


  平成30年10月17日(水)、大覚寺(京都市右京区)において千 宗室家元奉仕による献茶式が執り行われました。真言宗大覚寺派の本山である同寺は、五大明王を本尊とし、正式には旧嵯峨御所大本山大覚寺と称します。平安初期、嵯峨天皇が成婚の新室として建立された離宮御所を前身とし、明治初めまで代々の天皇もしくは皇統の方が住職を務められた格式ある門跡寺院です。




  弘仁9年(818)の春、飢饉のため国内に疫病が蔓延したことを受け、嵯峨天皇は弘法大師空海の勧めにより、嵯峨御所で3日間にわたり般若心経を書写されました。たちまち疫病が治まり、嵯峨天皇宸翰の般若心経は勅封として秘蔵されることになり、以来60年に一度、()(じゅつ)の干支にあたる年、勅使によって開封されています。




  20回目の開封を迎えた本年、「嵯峨天皇宸翰勅封般若心経1200年戊戌開封法会」として諸行事が催され、この度の献茶式はその一環として厳修されました。午前10時、家元は御影堂に入り、点前座に着座。多くの参列者が見守るなか、濃茶と薄茶を謹点されました。
  献茶式に際して、庭湖館に今日庵担当の薄茶席、副席として観月台に京都北支部(西村彦兵衛名誉支部長・富田謙三支部長)担当の薄茶席、望雲亭に京都南支部(平井義久支部長)担当の薄茶席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。


今日庵担当


副席(京都北支部担当) 副席(京都南支部担当)