熊野本宮大社御創建2050年献茶式
―千 宗室家元奉仕―




  平成30年7月24日(火)、熊野本宮大社(和歌山県田辺市)にて、千 宗室家元奉仕による献茶式が執り行われました。
  素戔嗚尊をはじめ伊邪那岐大神、伊邪那美大神、天照大神を祀る同社は、全国に3000社以上ある熊野神社の総本宮。熊野速玉大社・熊野那智大社と合わせ熊野三山と称され、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。第10代崇神天皇の御代に創建され、今年が2050年にあたることから、記念行事の一環として本献茶式が行われました。




  午前10時、家元は本殿瑞垣内に進み、点前座に着座。濃茶四碗を謹点し、四柱の祭神に捧げました。献茶に続いて淡交会南紀支部支部長である九鬼家隆宮司が祝詞を奏上し、関係者が玉串を奉納。
  田辺市本宮行政局には拝服席(南紀支部担当)が設けられ、参列者に一碗が呈されました。




  午後1時からは瑞鳳殿にて、家元による記念講演が『茶の湯の心得』と題して行われました。九鬼宮司の挨拶に続き登壇された家元は約80名の聴講者に「お点前をしてくださる方の後ろにあるものにも感謝するのが本来の茶の湯の心。一期一会の機会を可能にしてくれたあらゆるものに畏れ入る気持ちをもってこそ、一碗のお茶の意味が深くなります」と語られました。




  講演に引き続いて今日庵業躰による薄茶点前のデモンストレーションが行われ、亭主・客それぞれの役割や所作について、家元が平易な言葉で解説されました。