東大寺献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―




  平成29年5月3日(水)、華厳宗大本山東大寺(奈良市)において、千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が執り行われました。
  同寺のご本尊は、一般には「奈良の大仏」として知られている廬舎那(るしゃな)(ぶつ)です。廬舎那仏は、『華厳経(けごんきょう)』に説かれる「蓮華蔵(れんげぞう)世界(せかい)」の中心的な存在で、世界の存在そのものを象徴する絶対的な(ぶつ)とされます。天平15年(743)、仏教をもって国家の安定を図ろうとした聖武天皇の発願により大仏の造立が開始され、天平(てんぴょう)(しょう)(ほう)4年(752)に完成し、開眼供養が行われました。以後同寺は、「総国分寺」として鎮護国家の中心寺院となります。
  午前11時大宗匠は伊住公一朗様と共に大仏殿に進まれ、一般社団法人奈良県茶業会議所より奉納された新茶を石臼で挽かれた後、濃茶・薄茶二碗を謹点。ご本尊に捧げられました。






  献茶式に際して、本坊奥之間に今日庵担当の拝服席が、大仏殿西庭集会所に齋藤宗好氏(東京第六西支部参与)担当の副席が、真言院境内の勧学院に上野道善氏担当の東大寺席が設けられ、原田収老分を始めとする参列者に一碗が呈されました。


拝服席(今日庵担当) 副席(齋藤宗好氏担当)