唐招提寺献茶式
― 千 玄室大宗匠奉仕 ―

〜名月に一碗を捧げて〜



  中秋名月の10月6日、奈良市西ノ京にある唐招提寺において、千玄室大宗匠の奉仕により献茶式が厳修されました。

  同寺は、中国の高僧・鑑真和上により天平宝字3年(759)に創建された律宗の総本山で、1989年には「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されています。1995年の阪神淡路大震災の被害により金堂の基壇が損傷したため、2000年より10年に及ぶ金堂平成大修理事業が進められています。


御影堂で点前をされる大宗匠 鑑真和上に一碗を


  9月18日より催されている観月讃文会の最終日にあたるこの日、名月のもとでの厳かな献茶式。
午後6時より御影堂で始まった献茶は、蝋燭の明かりが幽玄な雰囲気を醸し出す中、大宗匠が濃茶・薄茶二碗を謹点、鑑真和上像と名月に献じられました。


名月に捧げられた一碗




  新宝蔵前芝庭には、淡交会奈良支部青年部による野点席が設けられ、参列者らは名月を愛でながら一碗を味わっていました。