天龍寺献茶式
─千 宗室家元奉仕─




  京都市右京区嵯峨にある臨済宗天龍寺派大本山天龍寺にて、開山夢窓国師毎歳忌にともなう献茶式が10月30日、千 宗室家元により厳修されました。

  同寺は足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うため、離宮であった亀山殿を寺に改めたもので、臨済宗天龍寺派の総本山。尊氏は、寺の造営資金獲得のために元との貿易を再開し、幕府公認の貿易船「天龍寺船」を運航させ、この貿易で得られた資金を基に、貞和1年(1345)、夢窓国師を開山に天龍寺を建立しました。天龍寺は京都五山の第一として栄えましたが、度重なる兵火で当時の建造物はほとんど残っておらず、現在の建物は明治時代後半以降の建築。方丈の西側にある夢窓疎石作の庭園(特別名勝・史跡)にわずかに当初の面影がうかがえます。1994年世界文化遺産に登録されています。


献茶式


  当日午前10時、家元は、千 容子夫人を伴われて、方丈へ入室。一山の僧侶方、多数の同門社中が見守るなか濃茶・薄茶二碗を献点。手ずから国師へ献じられました。

  献茶式に際して今日庵本席が祥雲閣に、協賛席として淡交会京都西支部(加納幸一支部長)による茶席が弘源寺に、また同京都東支部(内田昌一支部長)による茶席が多宝塔に設けられました。



本席(今日庵席)


副席(淡交会京都西支部) 副席(淡交会京都東支部)