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終戦60周年 沖縄平和祈念献茶式

節目にあたり、戦没者への慰霊と平和の思いを新たに




  千 玄室大宗匠は、6月25日、沖縄・摩文仁にある平和祈念公園において、終戦60周年にあたり、平和祈念献茶式を厳修されました。
『一碗からピースフルネスを』の理念を掲げ、半世紀以上にわたり世界60か国以上に茶道を広めてこられた大宗匠が、先の大戦の激戦地・沖縄において点じられたお茶は人々の心に深く刻まれました。

  午前9時半、琉球音楽の奏上とともに開式。沖縄担当大使・宮本雄二氏、自衛隊関係者、海軍第14期鵬亀会・鵬兎会の方々、淡交会沖縄支部会員はじめ全国の淡交会支部会員ら約400人が参列しました。
  黙祷に続いて、点前座に進まれた大宗匠は、厳かに二碗を点じられ、一碗を戦没者の慰霊に、もう一碗を世界平和の願いを込めて、「平和の火」の前に奉献。平和祈念堂から響く鐘の音とともに参列者も合掌の心を合わせました。



挨拶される大宗匠


  淡交会沖縄支部会員が恒久平和の祈りを込めて折った千羽鶴を学生代表より奉納、宮本大使はじめ各界の代表者の献花と続きました。
  挨拶された大宗匠は、「多くの戦友が散り、一般市民が犠牲となった沖縄には一途に思いを馳せてきました。生き残った者として二度と戦争が起こらないよう今後も一碗を携えて努力してまいりたい」と、ひと言ひと言かみしめるように語られました。


千羽鶴奉納 宮本大使よりご挨拶 一般参列者の献花


■海上慰霊祭
  午後1時半、参加者を乗せたモビーディック号は那覇港を出航。
慶良間諸島を臨む沖合いにおいて、海上慰霊祭が執り行われました。
鎮魂の心を揺さぶるように浪かかる船内において、大宗匠がお茶湯の儀を厳修。
海中に下ろされた緑の一碗は、しぶきを巻き込むように波間に飲み込まれていきました。





遠く慶良間に向かって合掌


般若心経読経


■懇親会
  夕刻からは、パシフィックホテル沖縄において、大宗匠を囲んで懇親会が催されました。
一連の慰霊行事を終えた参加者たちは、柔らかな表情とともに大宗匠をお迎えした喜びに満ち、和やかに懇談。


淡交会沖縄支部の親泊一郎支部長より挨拶 尚 弘子副支部長より献杯


■記念茶会
  26日、パシフィックホテル沖縄において記念茶会。今日庵席(濃茶席)と沖縄支部席(薄茶席)が設けられました。
いずれの席も、平和祈念と沖縄の自然が盛り込まれ、和やかにもてなされました。




今日庵席・濃茶 沖縄支部席・薄茶


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