ギリシャ共和国首相
コンスタンディノス・シミティス閣下が来庵

〜千 宗室家元が一碗でおもてなし 早春の古都の風情を満喫〜


  3月3日から公賓として来日中のギリシャ共和国首相 コンスタンディノス・シミティス閣下とマリレナ・シミティス首相令嬢が、7日午前10時30分、今日庵をご訪問。
  早春の穏やかな陽の光に包まれた兜門前で、首相一行を迎えられた千 宗室家元は、自ら露地を案内され、茶室・咄々斎においてもてなされました。
  コンスタンディノス・シミティス閣下は、1936年、アテネ近郊の港町・ピレウスのお生まれ。パンディオス大学商法教授、国家経済大臣、教育・宗教大臣等を歴任の後、1996年からギリシャ共和国首相に就任されています。


兜門前で首相一行を迎える家元 咄々斎で一碗を点じられる家元


  茶室・咄々斎には、裏千家11代・玄々斎宗匠の『和敬清寂』のお軸が掛けられ、家元は、お茶の心を分かりやすく説明。
  青年時代に、祖国の民主化運動に身を投じられた首相は、家元の「一碗からピースフルネスを」の理念に共鳴。茶道のもつ平和思想に深い理解を示されました。

  家元は「このお茶を飲まれると、元気になり、バイタリティーがわいて来ます」と説明されると、首相は、「そのバイタリティーをギリシャまで持って帰って活躍します」と応えられました。
  また、マリレナ嬢は、茶筅を手に自ら一碗を点てられ、それを家元が召し上がられる微笑ましい場面も。


茶筅を振られるマリレナ嬢 又新で歓談される家元と首相方


  その後、茶室・又新において家元と歓談された首相は、「ぜひギリシャにお越しください」と申し出られると、家元は、近い将来、ギリシャ訪問を約束されました。
  さらに、首相一行は、家元の案内で裏千家センターの茶道資料館を見学。
  岡倉天心の《Book of Tea》を手にとられた首相は、マリレナ嬢とともに興味深く読まれていました。
  桜花まさに開かんとする京都の風情を堪能された首相一行は、3月8日帰国の途に着かれます。


兜門前で、首相、マリレナ嬢、家元 茶道資料館を見学される首相