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レッスン風景3 |
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6月に入りましたが、お稽古の日は雨天にならず、湊川神社の木々も悠々と空に腕を広げています。私達も和気藹々と、しかし真剣に、運び薄茶点前のお稽古に励んでおります。まだ柄杓の扱いは難しく感じることもありますが、先生方の根気強いご指導の中、のびのびとお稽古に臨めています。 |
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私が特に楽しみを覚えたのは、お棗とお茶杓の拝見についてです。お道具にも様々あり、その見所などを教わりました。お茶席では亭主がどのようなお心遣いで、それらのお道具を今日この日のために選んでくださったのかを垣間見られる正客との問答が、興味深いと思いました。正客が棗のお形、お塗り、お茶杓のお作、ご銘を尋ね、亭主がそれに対して中棗であるとか、宗哲の鶴蒔絵であるなど答えます。そして最後に正客から亭主の気配りに対してお礼を述べます。 短い問答ですが、これだけのやりとりの中に、たくさんの新しい学びがありました。茶道が日本の四季の美しさと共にあること、お家元と共に茶道の発展を支え続けておられる千家十職のこと等を先生から教えていただきました。 |
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また、初心者の私にとっては耳慣れない言葉でも、先生方にとっては日常の季語である言葉の数々にも感銘を受けました。私が特におもしろいと思ったのは「濡れ燕」です。平安時代に和歌などに使われた雅語であり、俳句では春の季語だそうです。燕の子育てはちょうど今頃。梅雨の雨に打たれながらも、雛に餌を与えるために飛ぶ燕の羽の美しさはもちろんのこと、その健気で懸命な親燕の姿にも古の貴人達は心打たれたことでしょう。そのように愛されてきた「濡れ燕」という雅語は、現在、夏の涼やかなお菓子の御銘として身近に息づいている……。お茶を通して古の貴人や俳人、動植物などの自然に想いを馳せることで、心も一層豊かになるように感じられます。 |
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お軸は、「無一物」。禅語で、「ものごとは本質的には、空(くう)であるから、執着すべきものは何一つない」という意味だそうです。お花が蛇の目傘を模した花入れに生けられているのも大変可愛いく目を楽しませていただきました。 スペシャル・サプライズは先生の手作りお菓子!手前の青いお菓子です。涼しげで、清流に浮き行く青紅葉を思わせます。頂いてしまうのが勿体ないような気持ちになる、美しいお菓子でした。先生方の熱意や思いやり、素敵な同期の皆様と一緒に、来月のお稽古も楽しみながら頑張っていこうと思います。 |
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