岩手南支部 東日本大震災復興祈念茶会

5月26日(土)・27日(日)、岩手県花巻市の紅葉館において東日本大震災復興祈念茶会（主催：岩手南支部、宮澤啓祐支部長）が開催され、千 宗室家元夫妻、千 万紀子様が出席。��橋公男花巻市副市長、大谷宗裕淡交会理事、東北地区内の各支部役員、会員等、約650名がつどいました。  　この度の復興祈念茶会は東日本大震災により中止となった第55回東北地区大会（主管：岩手南支部）の代替行事として開催されたものです。

26日午後3時、家元は被災された同門代表とともに壇上に進まれ、お茶湯の儀を厳修。一碗を謹点され、犠牲者の御霊に献じられました。参加者は犠牲者の御霊の平安と故郷の復興を願い、家元とともに静かに合掌しました。  　引き続き家元の特別講演。冒頭、宮澤支部長が「宮澤賢治の雨ニモマケズの詩に“東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ西ニツカレタ母アレバ…”という言葉があります。相手の心に寄り添っていく賢治の心は茶道の心に相通ずるところがあります。多くの支えがあって今日の茶会を迎えることができました。これからも皆さんとともに精進してまいりたいと思います」と挨拶されました。続いて、達増拓也岩手県知事からのメッセージが読み上げられました。

宮澤支部長挨拶	達増知事のメッセージ（代読）

講演で、「皆さまを前にして、私が何を申し上げるべきか本当に悩みました」と話し出された家元は、「半年、一年という節目、あるいはメディアの特集の時にだけではなく、日々、思いを馳せる心の働きが日本人の優しさであり、絆ではないでしょうか。お互いに手を差し伸べあう茶道の精神は、本質的に誰もが心に持っているものです」と語りかけられました。また、復興の神である生田神社献茶式などに触れられ、「多くの悔いを残した震災でした。その中で、皆さまが自分の心を前向きにするとき、その背中を押してくれるのは昨日までの自分であり、昨日までの自分を支えてくれた多くの命であることを心に留めていただければ幸いです」と結ばれると、静かに聞き入っていた参加者から大きな拍手が贈られました。

夕刻からは懇親会が開催。宮澤支部長、家元の挨拶に続いて平野達男復興大臣からのメッセージが読み上げられ、��橋公男花巻市副市長の発声で乾杯しました。

宮澤支部長挨拶	平野大臣のメッセージ（代読）

��橋副市長による乾杯

また、会場には26日に呈茶席（岩手南支部担当）が設けられたほか、27日には隣接する千秋閣にて復興祈念茶会が開催。濃茶席（同支部担当）、薄茶席（同支部担当）、香煎席（同支部学校茶道連絡協議会担当）が設けられ、訪れた人々に一碗が呈されました。

呈茶席（岩手南支部担当）

濃茶席（同支部担当）

薄茶席（同支部担当）

香煎席（同支部学校茶道連絡協議会担当）