第46回東北地区大会
 
新樹を渡る風を感じながら
木の香り漂う秋田県能代市に3200人


けやき公園にて 世界遺産白神山地をモチーフ
にした大会パンフレット

  新緑を渡る風も清々しい5月24・25日の両日、能代市において、第46回東北地区大会(辻 兵吉大会会長)が開催されました。主管支部は秋田北支部(野呂田芳成支部長・元防衛庁長官)。

  宗家より千 宗之若宗匠、伊住宗晃宗匠が列席、能代市長の宮腰洋逸氏、参議院議員の金田勝年氏・斉藤滋宣氏令夫人、秋田県議会議員の高久正吉氏、能代市教育長の野中和郎氏はじめ多数の来賓方、また、老分の堀部公允氏、淡交会特別参事の大塚宗香氏、東北地区内の同門ら約3200人が参加。
  白神山地から流れ出る清冽な水、木の香り漂う町並み、主管支部の役員・会員が心を込め点てた一碗が、参加者の心を癒すとともに明日への修道の意欲を喚起しました。
  能代には、江戸時代から一家相伝により伝わる精巧な能代春慶塗が伝わるとともに、バスケットボールなどスポーツが盛んな地。また、裏千家茶道が、確実に根づき、茶の工芸においても優れた文化を開花させています。


式典・呈茶会場(能代市総合体育館)に3200人の同門が集う





記念茶会

  24・25日の両日、野呂田支部長担当の濃茶席・秋田北支部担当の薄茶席と香煎、同支部青年部担当の薄茶席、同支部学校茶道担当の薄茶席が懸かり、季節感溢れる趣向が喫客の心を魅了しました。

濃茶席会場・金勇 金勇の庭

濃茶席 薄茶席(プラザ都)

香煎席(けやき公園) 青年部担当の薄茶席

学校茶道部席 秋田杉を使った立礼棚

<学校茶道部席の参加校>
秋田県立大館鳳鳴高校・秋田県立大館桂高校・秋田県立大館商業高校・秋田県立鷹巣高校・秋田県立能代高校・秋田県立能代北高校・市立能代商業高校・月居服飾専門学校・渟城女子専門学校・秋田県立秋田農業短期大学・能代渟城第二小学校・能代とどろき保育園


準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい
正副支部長・幹事長会議

  24日午後3時30分から能代キャッスルホテル平安閣において開催。準教授拝受者84人、茶名拝受者154人、新入会員78人、合計316人が参加し、若宗匠、伊住宗匠から励ましの言葉を受けました。
  若宗匠は、つどいの会場のお軸『本来無一物』に言及され、「謙虚さが大事。お互いの立場に立って、相手を思いやるお茶の心を大切にしていってください」とご挨拶。また、伊住宗匠は、「けやき公園の青葉を楽しませていただきました。皆さんが、お茶室の中で学んできたことを、お茶室の外で広めていくことも大事です」と今後の指針を示されました。


  「つどい」にて


  午後4時30分からの「正副支部長会議・幹事長会議」に引き続き、午後5時30分から、同ホテルにおいて「若宗匠を囲む懇親会」が開催され、参加者は宗家と共に和やかなひと時を過ごしました。


懇親会 青年部懇親会

大会記念式典

  翌25日、午前9時から能代市総合体育館において大会記念式典を開催。
  若宗匠は、お茶湯の儀を厳修され、第46回東北地区大会の盛会を利休大居士・歴代宗匠に奉告されると共に、そのご遺徳を偲び、一碗を利休居士画像に捧げられました。


若宗匠によるお茶湯の儀

野呂田支部長挨拶

  主催者を代表して、辻地区長の挨拶に続き、今年、勲一等旭日大綬章を受章された野呂田秋田北支部長(元防衛庁長官)が、『諸悪莫作衆善奉行』(悪いことはするな、善いことをせよ)の禅語を引用され、「当たり前のことが出来なくなっている現在、私たちが茶道の真の相(すがた)を学んで、実践に移していくことが大事です」と述べられました。
  また、秋田支部の辻 大圓副支部長より大会決議が発表され、本大会の名において、能代市の文化事業基金に金一封が贈呈されました。
  続く、宗家ご挨拶では、若宗匠が「野呂田さんのお話に感激致しました。地域社会への貢献のために、素直に人とお付き合いするマナー・お茶の心をお伝えください」とご挨拶。
  宗家とのつどいでは、伊住宗匠が「伝統文化の世界には、言葉の美しさが生き続いています。こうした大会を契機に、身近な所で、日本の情緒を育んでいけるように、皆さんが働きかけていただきたい」と述べられました。

■若宗匠特別ご講演
  個人主義』という言葉の本義は「お互いが相手を尊重すること」にあるとされ、「それぞれが学ばれる道を信じて、お互いが相手の負担にならないように」歩むことの大切さを説かれました。


  講演される若宗匠