第37回四国地区大会
本年地区大会の掉尾を飾り和やかに


新居浜太鼓まつりの太鼓台 濃茶席会場の瑞應寺


立礼席の花入(伊豫國別子山産 虎杖 銘「九折」)


  第37回四国地区大会(濱田耕一地区長)は、11月11・12日、愛媛県新居浜市において開催されました。主管は新居浜支部(嶋田米太郎支部長)、協力は三島支部(井川高雄支部長)、西条支部(今井計一支部長代理)、今治支部(檜垣俊幸支部長)で、東予四支部が団結して大会を盛り上げました。新居浜市は別子銅山で栄えた工業都市で、北に瀬戸内海に面した良港があり、山海の自然に恵まれたところ。
  千 宗室家元夫妻が出席され、淡交会理事の納屋宗人氏、外務副大臣の塩崎恭久氏、愛媛県知事の加戸守行氏、新居浜市長の佐々木龍氏、四国中央市長の井原 巧氏はじめ多数の来賓、地区内外より約2500人の同門社中が参加しました。

●大会日程
  11日、リーガロイヤルホテル新居浜において、午後3時30分から準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、正副支部長・幹事長会議を開催、午後5時30分からは同ホテルにて懇親会。
  翌12日には新居浜市市民文化センターにおいて記念式典を挙行。
  両日にわたり、記念茶会が催されました。





●記念茶会
  市内南の山麓にある古刹・瑞應寺に濃茶席(担当・三島支部)、リーガロイヤルホテル新居浜に薄茶席(担当・西条支部)、青年部席(担当・東予四支部青年部)、香煎席(担当・今治支部)と、招待者に主管支部長席(担当・嶋田米太郎支部長)が設けられました。


濃茶席床 中御門天皇御宸翰懐紙 濃茶席


主管支部長席 薄茶席


青年部席 アクリル板に銅メッシュを入れた特製棚


香煎席


  11日午後、新居浜に着かれた家元夫妻は、早速に茶席廻りへ。小雨に洗われた瑞應寺の風情とともに格調高い取り合わせで濃茶を服された後、リーガロイヤルホテル新居浜へ。ホテル内の各席もそれぞれに担当支部の彩りにあふれ、和やかにもてなされました。


●つどい、会議、懇親会
  その後、宗家一行は、準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、続いて正副支部長・幹事長会議へ出席。
家元は会員らに向けて、淡交会のあり方と茶道の修道についてわかりやすく語りかけられました。


新入会員の誓詞を受けられる家元 会議で挨拶される家元夫人


懇親会


  夕刻より催された懇親会では、家元を囲んで和やかな盛り上がり。家元は4会場に分かれた各席を回られ、懇談や記念撮影に応じられました。





●大会式典

お茶湯の儀


濱田地区長の挨拶 来賓の塩崎外務副大臣より祝辞


  大会式典の第一部は「お茶湯の儀」。家元が利休居士画像に大会の盛会を奉告され、物故会員の霊位に一碗を捧げられました。
  濱田地区長、嶋田支部長よりの挨拶に続いて、発表された大会決議に基づき新居浜市社会福祉協議会へ寄金が贈呈されました。
  家元は「豊かな地域性があるところにこそ文化は育つもの。それぞれの場所に誇りを持ち、情熱をもって一碗による和みの場を作っていっていただきたい」とご挨拶。
  来賓の加戸知事、塩崎外務副大臣、佐々木市長より祝辞の後、功労者表彰。まず家元より、永年にわたり淡交会四国地区地区長・徳島支部支部長を務められた石川良彦氏に感謝状を贈呈(代理:坂田雄幸徳島支部支部長)。続いて、淡交フェローなど各賞が授与されました。
最後は、家元による特別ご講演。家元は、必要な無駄としての"ゆとり"についてユーモアを交えて話され、「点前作法は亭主と客がお互いに探り合い知り合っていくために必要な時間である。そういう"ゆとり"が、今の社会から欠落しているのではないか」とし、茶道に携る者の使命を語りかけられました。


講演される家元