第44回山陰地区大会
恵みの雨が城下町倉吉を潤して




  10月26・27日、天女伝説のある打吹山の麓に位置する倉吉市において、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、第44回山陰地区大会(八村輝夫地区長)が開催されました(主管・倉吉支部、伊東資秘支部長)。
  淡交会理事の大谷宗裕氏、鳥取県知事平井伸治氏代理で出納長の青木茂氏、倉吉市長の長谷川稔氏、衆議院議員の赤澤亮正氏(米子・境港支部顧問)、参議院議員の川上義博氏、同・田村耕太郎氏夫人、社会福祉法人因伯子供学園園長の石亀政道氏ほか多数の来賓、山陰地区をはじめ各地より約1,500人の同門社中が集いました。


●大会日程
  26日は、16時よりホテルセントパレス倉吉おいて準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、正副支部長・幹事長会議、17時30分より同ホテルにおいて懇親会を開催。翌27日は、9時30分より鳥取県立倉吉未来中心(大ホール)において大会式典を挙行。さらに両日にわたり記念茶会が行われました。





●記念茶会
  倉吉茶道会館に濃茶席(倉吉支部長席)、鳥取県立未来中心に薄茶席(倉吉支部席)とふれあい席(倉吉支部うつぶき青年部・倉吉支部学校茶道連絡協議会席)、香煎席(倉吉支部学校茶道連絡協議会、幼稚園・保育園席)が設けられました。濃茶席では、力強い天祐紹杲筆「心外無別法」の軸が席中を引き締め、薄茶席では、倉吉の秋を映し込んだ野の花が入れられ、家元作茶杓「仙居」をはじめ祝意に満ちた取り合わせ。ふれあい席では3つの和親棚を設えて、竹と和紙で作ったカバーに天女を描いてポットにかぶせるなど工夫を凝らし、学生・生徒たちが心を合わせておもてなし。
  26日午後に倉吉入りされた家元は、早速に各席を廻り心のこもった一碗を楽しまれました。


濃茶席


薄茶席


ふれあい席


香煎席は高校生と園児がお運び


●会議・つどい
  茶席廻りの後、宗家方はホテルセントパレス倉吉へ移動、準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、続いて正副支部長・幹事長会議に出席されました。
  つどいで挨拶された家元は、 「今日、明日を見つめることも大切ですが、積み重ねた昨日が背中を押して進むべき道に導いてくれるはずです」と参加者の今後の精進を激励されました。


新入会員による誓いの言葉 会議にて挨拶される家元


●懇親会
  同ホテルにて17時30分より開会。長谷川市長の挨拶に続き、村田実氏(鳥取県議会議員)による乾杯の後、家元は各席を回り会員と和やかに懇談されながら記念撮影。島田康夫氏(特別参事・石見支部支部長)の中締めの挨拶は、万歳三唱で締めくくられました。



盛会を祈って乾杯


●大会式典
  27日午前9時30分に開幕。第一部「お茶湯の儀」では、家元が大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌の心を重ねました。


一碗を捧げられる家元


  第二部「式典」では、主催者を代表し、八村地区長より歓迎の挨拶に続き、伊東支部長が挨拶。発表された大会決議にもとづき、社会福祉法人因伯子供学園へ金一封が贈呈されました。
家元は、「山陰を訪れると心が洗われるようです。天を広く見渡せるこの地で、自然の有り難さを再認識し、奢らず、高ぶらず謙虚に歩んでいくことが大切です」と挨拶されました。


挨拶される八村地区長


  第三部「表彰会」では、千 容子家元夫人より挨拶の後、家元から各賞が授与されると会場は拍手に包まれました。


挨拶される家元夫人 功労者表彰


  第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、「座礼」や「箱書」へ託す想いをわかりやすく語りかけられ、「正しく歩みやすい、見通しのよい茶道の世界を共につくっていきたい」と締めくくられました。

  式典後、家元は同会場に設けられている香煎席、ふれあい席を廻られ学生・生徒たちを労われました。
学校茶道の参加校は、倉吉東高等学校・倉吉総合産業高等学校・倉吉総合看護専門学校、鳥取県立保育専門学院、東伯中学校・東中学校・久米中学校・明倫小学校・泊小学校・倉吉幼稚園・松崎幼稚園のみなさん。


園児と記念写真 天女を描いたポットカバー