第53回九州地区大会 |
― 異国情緒あふれる街・長崎で ― |
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11月14日・15日、深秋の長崎市において、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、第53回九州地区大会(後藤豊彦地区長)が開催されました(主管・長崎支部、澤山精一郎支部長)。 淡交会理事の大谷宗裕氏、淡交会理事で副地区長の島津修久氏、淡交会参事で副地区長の村岡安廣氏、長崎県知事の金子原二郎氏(長崎支部顧問)、長崎市長の田上富久氏(長崎支部顧問)、衆議院議員の高木義明氏、冨岡 勉氏はじめ多数の来賓、九州地区をはじめ各地より3300人を超える同門社中が参加しました。 |
●大会日程 |
14日、12時30分よりホテルニュー長崎において「正副支部長・幹事長会議」「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」、14時より長崎ブリックホールにおいて「大会式典」、17時30分よりホテルニュー長崎において「懇親会」。また14日・15日の両日にわたり記念茶会が催されました。 |
●会議・つどい |
14日昼に長崎入りされた宗家方は、早速、正副支部長・幹事長会議へ。続いて準教授・茶名拝受者・新入会員のつどいに出席され、参加者を激励されました。 |
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準教授・茶名拝受者代表謝辞 長崎支部 松本宗香氏 |
新入会員代表「誓いの言葉」 植村美智子氏 |
●大会式典 |
大会式典は長崎ブリックホールにおいて挙行。 第一部は「お茶湯の儀」。家元が大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、10月18日に逝去された中牟田喜一郎氏(今日庵老分、元九州地区長・博多支部長)はじめ物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌の心を重ねました。 第二部「式典」では、主催者代表の後藤豊彦九州地区地区長の挨拶、主管長崎支部の澤山精一郎支部長から歓迎の挨拶。発表された大会決議にもとづき長崎市文化振興資金へ金一封が贈呈されました。 |
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後藤地区長挨拶 | 澤山支部長挨拶 |
家元は挨拶で「若い方々は、先を行く先輩の歩みをしっかりと見て正しい一歩を踏み出し、そして先輩は、うしろからやって来る後輩のために時折立ち止まり振り返るような気持ちをもってこそ、いろいろなものが正しく伝えられていくのではないかと存じます。淡交会の地区大会が今後もそのように世代を超えた思いやりのあるものであるように期待しております」と語られ、続いて来賓を代表して長崎県知事の金子原二郎氏、長崎市長の田上富久氏より祝辞が述べられました。 |
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家元挨拶 |
家元夫人の挨拶の後、第三部「表彰会」では、家元より各賞を授与。会場は拍手に包まれました。 |
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表彰会 | 家元夫人挨拶 |
第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、「自分が相手に一歩近づくということが、相手も自分に一歩あゆみ寄ってくれるということ。便利なものが溢れてる世の中ですが、そうやって時間をかけて築いた人間関係はなかなか崩れないものです」と参加者に語りかけられました。 |
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●懇親会 |
続いて17時30分からは、ホテルニュー長崎において懇親会が催されました。後藤地区長、澤山支部長、家元の挨拶に続き、金子知事の発声で乾杯。家元は各席を回り記念撮影に応じられるなど、会員と和やかに歓談されました。 |
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祝舞「オランダ万才」 |
また、懇親会に続いて「青年部・学校茶道合同懇親会」が開かれ、長崎県内の大学3校の学生27名と、長崎支部6青年部を主とする青年部会員の約80名が参加。家元と学生代表5名が壇上で語り合う場も設けられるなど、和やか且つ貴重な機会となりました。参加校は長崎大学医学部・歯学部・薬学部・和心会、長崎純心大学、長崎ウエスレヤン大学のみなさん。 |
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家元と「一問一答」 |
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●記念茶会 |
長崎新聞文化ホールに濃茶席・薄茶席(支部担当)の2席、ウェルシティ長崎に濃茶席(長崎支部参与担当)・薄茶席(青年部担当)の2席、また長崎ブリックホールに香煎席(学校茶道担当)の計5席が設けられました。美しいその姿から"鶴の港"と呼ばれた長崎港。喫客は秋晴れの空のもと、変化に富んだ長崎の景観や異国との交流の歴史が取り入れられた各席の趣向を楽しみました。 |
◇濃茶席(支部担当) |
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元伯宗旦作竹一重切花入 銘「大祖」 椿は「初嵐」 |
◇濃茶席(支部参与担当) |
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中国と繋がりの深い 長崎の祝席には欠かせない「桃薯蕷」 |
◇薄茶席(支部担当) |
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淡々斎作 銘「山錦」以雲仙登山之杖 |
◇薄茶席(青年部担当) |
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出島をかたどった立礼棚で |
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一羽ずつ丁寧に折られた鶴の中に干菓子が |
◇香煎席(学校茶道担当) |
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とりどりの「長崎凧(はた)」が飾られた香煎席 |
学校茶道の参加校は、雲仙保育園、諏訪小学校、島原第一中学校、長与中学校、長崎商業高等学校、玉成高等学校、長崎工業高等学校、島原高等学校、大村高等学校、小浜高等学校、純心大学、長崎大学医学部・歯学部・薬学部・経済学部・和心会の皆さん。 |
宗家方は、14日の懇親会開会前、社団法人長崎青年会議所青松会による呈茶席へ。 同会は茶道を通じて日本の伝統文化を学び、それを次代に伝えるとともに会員相互の交流を図ることを目的として会員有志で発会。昨年3月には家元を迎えて記念茶会を開催しました。発会以来の熱心な取り組みが感じられる席となりました。 |
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待合には故伊住宗晃宗匠筆 「カステラに埋もれて雨の思案橋」 |
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