第40回北陸・信越地区大会




  9月19・20日、4代仙叟居士ゆかりの地、石川県金沢市において、千 宗室家元、伊住弘美様が出席され、第40回北陸・信越地区大会(大会会長:荒井公夫北陸地区長、大会副会長:下条進一郎信越地区長)が開催されました(主管・石川支部、大会委員長:小田禎彦支部長)。
  淡交会理事の大谷宗裕氏、今日庵老分・淡交会参事の仁科惠敏氏(長野県支部副支部長)、淡交会顧問の天江喜七郎氏、石川県知事の谷本正憲氏(石川支部顧問)、金沢市長の山出 保氏(石川支部顧問)はじめ多数の来賓、北陸・信越両地区内外より総勢1800人を超える同門社中が参加しました。


●大会日程
  19日は午後0時30分より「正副支部長・幹事長会議」(於・ホテル日航金沢)、「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」(於・金沢都ホテル)、午後2時より「大会式典」(於・石川県立音楽堂)、午後5時30分より「懇親会」(ホテル金沢)、翌20日には「記念茶会」が催されました。





●会議・つどい
  金沢入りされた家元は、まず月心寺に向かわれ仙叟居士墓参。続いて「正副支部長・幹事長会議」、「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」に出席され、地区役員方に地区大会開催にあたり感謝の意を表されるとともに、新たな一歩を踏み出した会員に励ましの言葉を贈られました。




準教授・茶名拝受者代表謝辞
石川支部 中村宗隆さん
新入会員「誓いのことば」
同支部 上田紗弥さん


●大会式典




  午後2時より、石川県立音楽堂コンサートホールにおいて挙行。
  第一部は「お茶湯の儀」。家元が大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌しました。




  第二部「式典」では、主催者を代表し、荒井公夫北陸地区長より歓迎の挨拶、続いて小田禎彦石川支部支部長が挨拶。品川一郎淡交会参事より発表された大会決議にもとづき石川県立美術館と金沢市立中村記念美術館への備品寄贈目録が谷本正憲石川県知事、山出 保金沢市長に贈られました。
  続いて挨拶に立たれた家元は「本日、月心寺にお参りをさせていただきました。仙叟居士をはじめ、歴代宗匠方が京都と金沢の行きかえりに手掛けられた道具を拝見する度に、金沢とのご縁が心の中にますます深まってまいります。本大会にご参加の皆様には、それぞれ地元のお茶というものにもっと自信をもっていただきたいと思います」と語られました。
  その後、来賓を代表して谷本知事、山出市長より祝辞。地域とともにある淡交会の活動に、感謝の言葉が述べられました。
  第三部「表彰会」では功労者表彰が行われ、家元より各賞が授与されると会場は拍手に包まれました。
  第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、「因果という言葉がありますが、『果』すなわち実りを手に入れるためには『因』すなわち努力をする、時間をかけることです。近頃、この因果のバランスをとることを忘れている人が増えているようです。お客様を迎える際、趣向や道具の取り合わせに腐心するだけではなく、まず稽古をしましょう。稽古を重ねてこそ、お客様の前で自分の心を自由にすることができるのです」と語りかけられました。


荒井地区長挨拶 小田支部長挨拶 来年の地区大会主管支部
下条長野県支部名誉支部長挨拶


功労者表彰


講演される家元


●懇親会




  午後5時30分からホテル金沢ダイヤモンドルームにおいて開催された懇親会は、優美な篠笛の調べとともに開会。荒井北陸地区長、小田支部長、家元の挨拶に続いて下条信越地区長が乾杯の発声。その後、家元は各席を回り記念撮影に応じられるなど、会員らと和やかに懇談されました。歓談ののち仁科惠敏老分の中締めで懇親会は締めくくられました。


仁科老分による中締め挨拶


  家元は、午後7時より青年部北陸信越ブロック(大樋年雄ブロック長)主催の懇親会に出席。青年部ごとの記念撮影も行われ賑やかな会となりました。


翌日、誕生日を迎えられる大谷理事に
青年部からケーキが贈られました


●記念茶会
  翌20日には金沢駅周辺の各会場にて記念茶会が催されました。濃茶席(谷村庄市石川支部顧問担当)、薄茶席(小田宗賀支部長担当)、立礼席(学校茶道・青年部担当)、PR席(石川支部担当)の4席が設けられ、家元は各席の趣向を楽しまれながら一碗を喫されました。
  各席は、加賀百万石の城下町として様々な文化を育み、それらが今日まで脈々と受け継がれている金沢ならではのしつらえ。
  濃茶席・薄茶席では前田家ゆかりの品々が取り合わされ、参席者はじっくりと拝見しながら初秋の茶趣を楽しみました。
  また、立礼席では14代淡々斎宗匠、15代鵬雲斎大宗匠、16代坐忘斎家元がそれぞれ好まれた立礼棚のしつらえで学校茶道の学生と青年部会員が一体となっておもてなし。青年部会員である作家の作品も数多く用いられ、伝統文化を担う層の厚さが感じられる席となりました。


【濃茶席】
  金沢都ホテル



【薄茶席】
  ホテル日航金沢



【立礼席】(知新棚、御園棚、和親棚)
  ANAクラウンプラザホテル金沢



  学校茶道の参加校は、夕日寺小学校、明成小学校、野々市中学校、布水中学校、鶴来中学校、川北中学校、緑中学校、光野中学校、鳴和中学校、笠間中学校、松任中学校、金沢向陽高等学校、松任高等学校、金沢泉丘高等学校、石川県立工業高等学校、遊学館高等学校、金沢西高等学校、金沢商業高等学校、星稜高等学校、金沢二水高等学校、金沢大学附属高等学校の学生のみなさん


【PR席】
  9月19・20日の2日間、JR金沢駅前の「もてなしドーム」に設けられたPR席では、地区大会参加者と一般市民の皆さんがともに一碗を味わいました。
  台風の影響で蒸し暑い大会となりましたが、幸い雨も降らず盛会のうちに終えることが出来ました。


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