第44回中国地区大会



  11月7・8日、広島県呉市において、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、第44回中国地区大会(奥原信也中部中国地区長・松田堯東中国地区長・野村興兒西中国地区長)が開催されました。(主管・呉支部、奥原信也支部長)
広島県副知事の有岡宏氏、呉市長の小村和年氏、衆議院議員の岸田文雄氏(広島第一支部顧問)、河井克行氏(広島第二支部顧問)、平口洋氏(広島第一支部顧問)、淡交会理事の大谷宗裕氏はじめ多数の来賓、地区内外より総勢3000名を超える同門社中が参加しました。





●会議・つどい
  7日午前11時より、クレイトンベイホテルにおいて「正副支部長・幹事長会議」、「準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい」が開催されました。家元は「良いお道具を使い自分の満足のいくようなお茶を点てたとしても、お客様に対する心遣いがなければ「一会」にはなりません。相手の心の動きや気配、息づかいを感じ、亭主と客が共にその場を豊かにしようと気を配って初めて「出会い」と言えるのです」と語りかけられました。


正副支部長・幹事長会議


準教授・茶名拝受者代表「謝辞」
呉支部 大葉宗明氏
新入会員代表「誓いの言葉」
同支部 森清博枝氏


●大会式典
  午後1時30分より、呉市文化ホールにおいて挙行。第一部「お茶湯の儀」では、家元が大会の盛会を利休居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、本年7月に逝去された故奥原次郎中部中国地区名誉地区長・呉支部名誉支部長ならびに物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、参加者も静かに合掌しました。




  第二部「式典」では、主催者を代表し奥原信也地区長より挨拶。加計特別参事(広島第二支部副支部長)より発表された大会決議に基づき、呉市文化振興財団に金一封が贈呈されました。
  家元は挨拶で「主管する支部の特色を生かしながら、来られた方々とのふれあいをより深めるという地区大会本来の目的が保たれてきたからこそ、今日のような繁栄があるのだと思います。その思いを受け継ぐことで、私たちが集う場がより豊かになっていくのではないでしょうか」と語られました。続いて来賓を代表して有岡宏広島県副知事・小村和年呉市長より祝辞があり、来年度地区大会主管支部となる宇部支部の加藤淳支部長による挨拶で式典は閉会しました。
  第三部「表彰会」では功労者表彰が行われ、家元より各賞が授与されると、会場は拍手に包まれました。


奥原地区長・支部長挨拶 加藤淳宇部支部長挨拶




  第四部「特別ご講演」では家元が登壇。家元は「先生は弟子に心を配り、一人ひとりに合った教え方で接し、弟子は先生の茶の湯の人生の中で気づいたことを言ってくださっていると受け止める気持ちがあってこそ、初めてキャッチボールが成り立ちます。お茶会はもちろん普段の生活でも、相手に対して気を配り手間をかけることを心がけていただきたいと思います」と語りかけられました。




●懇親会
  午後5時30分より、クレイトンベイホテルにて開催。奥原信也地区長、家元の挨拶に続き、来賓を代表して衆議院議員の岸田文雄氏より挨拶。松田堯東中国地区長による乾杯発声の後、家元は各席を回り記念撮影に応じられるなど和やかに懇談され、野村興兒西中国地区長による中締めの挨拶で閉会となりました。




  大会懇親会と併行して、同ホテルのレストラン「ソーニョ」にて青年部と学校茶道採用大学8校の交流を図ることを目的に懇親会が行われ、青年部会員65名、学生29名をはじめ約130名が参加しました。家元による挨拶に続き乾杯後、大学ごとに学生が登壇し活動報告や家元への質問などを発表。家元は学生の質問に丁寧に答えられ、終始和やかな会となりました。




  懇親会参加校は、広島大学・広島大学医学部・広島市立大学・比治山大学・県立広島大学・広島国際大学・呉大学・呉看護学校のみなさん。


●記念茶会
  大会開催期間の両日、記念茶会が開催され、呉阪急ホテルに濃茶席(呉支部担当)、薄茶席(広島第一支部担当)、シティプラザスギヤに立礼席(東広島支部担当)、ビューポートくれに立礼席(青年部中部中国ブロック・学校茶道担当)が設けられ、参加者は秋の風情や大会への祝意を趣向とした各席で一碗を楽しみました。
  8日午前、家元は各席に入られ一碗を喫されました。また青年部・学校茶道担当の立礼席では、出迎えた園児、青年部会員、学生・生徒と記念写真を撮影されるなど、和やかなひとときを過ごされました。





【濃茶席】



清巌宗渭筆「喝下絶機思」





【薄茶席】



坐忘斎家元筆「孤雲本無心」





【立礼席】東広島支部担当


鵬雲斎大宗匠筆「明歴々 露堂々」





【立礼席】青年部中部中国ブロック・学校茶道担当
  「花鳥風月」をテーマに、それぞれに工夫を凝らした席が設けられました。
「花」呉市の花・椿をイメージ「鳥」宮島の神事・御烏喰(おとぐい)式をイメージ


「風」地中海の風をテーマに「月」中国古代の伝説「嫦娥(じょうが)」を趣向に




  学校茶道の参加校は、県立広島大学、広島大学、文京女子大学、広島市立大学、広島国際大学、呉大学、呉医療センター看護学校、基町高校、呉宮原高校、阿賀保育園のみなさん。